牛乳が体に悪いと言われる理由【3つのデメリットと2つの問題点】

「牛乳を飲めば、背が伸びる!」
「牛乳を飲めば、骨が丈夫になる!」
健康に良いイメージを強く持つ牛乳は、子どもから大人まで多くの人に親しまれていますよね。
実に、日本人の3人に1人は毎日牛乳を飲んでいると言われています。
しかし、牛乳の健康効果に対しては反対意見もあります。
毎日飲み続けることによって、かえって健康を害するということも指摘されているんです。

牛乳って本当に健康にいいの?



なんで牛乳を”体に悪い”って言う人がいるの?
こんな疑問にお答えします。
- 牛乳が体に悪いといわれる理由(デメリット)
- 市販牛乳に潜む問題点
考えてみたら、ほとんどの日本人にとって、牛乳は学校給食から馴染みのある飲み物です。
いきなり「体に悪い」と言われてもなかなか受け入れられませんよね。
自然食品の仕事をしている筆者としては「牛乳は嗜好品として飲む」程度がいいと考えています。
- 毎日健康のために大量に飲むのはおすすめしない
- 品質の良い牛乳を嗜好品として飲む程度がいい
どんなものにもメリット・デメリットがあります。
牛乳が抱える問題点を知って、自分自身で判断してみてください。
筆者プロフィール


\Twitterフォロワーさま1.5万人突破!/
ジャンクフード中毒から自然食品店長に。
20代で体調を大きく崩し、食養を学んで病弱体質を改善。自然食の仕事10年以上の経験と体験をもとに「安全な食品の選び方」と「体にいい自然食」について発信中!
牛乳が体に悪いといわれる理由【3つのデメリット】


「牛乳は体に悪い」と言われる理由が主に次の3つの理由からです。
- 乳糖不耐症(日本人の多くは牛乳を消化できない)
- 牛乳を飲むと、逆に骨がもろくなる
- 牛乳はガンのリスクを高める
①乳糖不耐症(日本人の多くは牛乳を消化できない)


「そもそも日本人の体には牛乳は合っていない」という意見です。
その理由は、日本人の多くは牛乳をうまく消化できない体であるからとされています。
牛乳には約5%の糖質が含まれ、そのほとんどが「乳糖」(ラクトース)という成分です。
生の牛乳であれば乳糖を分解する酵素「ラクターゼ」が含まれているのですが、市販されている牛乳は加熱処理されているためラクターゼが含まれていません。(酵素は加熱されることによってなくなってしまいます)
ですので、体内の酵素で分解する必要があるのですが、ほとんどの日本人はラクターゼが少ないので、乳糖をうまく消化できないといわれています。
ちなみに、赤ちゃんは乳糖を分解することが出来るのですが、2歳頃から乳糖を分解する酵素が減っていきます。



母乳を飲まなくなるから、ラクターゼが必要なくなるんですね。
牛乳を飲むと下痢をする人がよくいますが、それは乳糖をうまく分解できないこと起こる症状で「乳糖不耐症」といわれます。
乳糖不耐症(にゅうとうふたいしょう、英: Lactose intolerance)とは、乳糖(ラクトース)を体内で適切に消化(分解)できない結果、消化器に生じる諸症状。多くの場合、消化不良や下痢などの症状を呈する。ヒトを含むほとんどの哺乳動物は、離乳するとラクターゼの活性が低下する。
引用元:Wikipedia
一時期、「乳糖不耐症」は病気のように考えられていましたが、ラクターゼの減少はある意味当たり前に起こることでもあるので、その考え方は改められています↓
ラクターゼの減少は、成長した哺乳類全般に起こることであって異常とは言えない。哺乳類は、授乳期が過ぎると、ほぼ例外なくラクターゼの活性が低下してしまう。したがって、授乳期が過ぎた哺乳類が乳糖不耐症であっても、それを病気だとは言えない。これがいわゆる遅発性の乳糖不耐である。
引用元:Wikipedia
つまり、私たち人間は大人になると乳をうまく消化できないということです。
牛乳のメリットは栄養バランスが整っているということですよね。
しかし、どんなに牛乳が良い飲み物でも、うまく消化できなければ意味がありません。
ちなみに、日本人を含めた黄色人は、白人よりもラクターゼが少ないことが指摘されています。
牛乳自体はかなり昔に日本に伝わってきているのですが、なかなか定着しませんでした。
歴史を振り返ってみますと、今のように国民のほとんどが牛乳を飲むようになったのは昭和の戦後からで、ごく最近のことなんですね。
②牛乳を飲むと、逆に骨がもろくなる


牛乳には、人間が体内で作ることの出来ない必須アミノ酸を含むタンパク質・脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラルがバランスよく含まれています。
▼牛乳100gあたりの栄養成分
エネルギー | 66kcal |
タンパク質 | 3.3g |
脂質 | 3.8g |
炭水化物 | 4.8g |
ナトリウム | 41㎎ |
カリウム | 150㎎ |
カルシウム | 110㎎ |
リン | 93㎎ |
マグネシウム | 10㎎ |
ビタミンC | 1㎎ |
ビタミンD | 0.3㎍ |
特にカルシウムの含有量が多いことから「骨を丈夫にする」というイメージがついています。
しかし、「牛乳からカルシウムを摂っても骨の強化にはならない」という意見があります。
これは前述した通り、大人になると牛乳をきちんと消化することができないので、その栄養をしっかりと吸収することはできないと考えられている面もあるのでしょう。
ここで注目なのは「牛乳を飲むことで逆に骨がもろくなる」という指摘です。
食養では、お肉や牛乳をはじめとする乳製品は「酸性形成食品」であるとしています。
酸性形成食品(体内で酸性物質を形成する)を摂取すると、体液を弱アルカリに保っている体はこれを中和する為に骨からアルカリ性のカルシウムを引き出します。
骨はミネラルの貯蔵庫であり、カルシウムが不足することで骨がもろくなりやすい。
ですから、骨粗鬆症は酸性形成食品ばかりの摂取と運動不足・日光不足が引き起こしていると考えています。
日本では、戦後、学校給食で牛乳を飲むようになってから、児童の骨折率が上がっていることを指摘するデータもあります。
独立行政法人日本スポーツ振興センターの「学校の管理下の災害」によると、学校(学校行事を含む)における骨折は、小学生から高校生まで増加しており、全体で30年前の1.5倍、1970年と比べると2.4倍にまで増えています。ここ10年間に着目すると、未就学児~中学生は横ばいにとどまっていますが、高校生では引き続き増加し続けています。
引用元:「30年前から1.5倍、学校での子どもの骨折の原因」(東洋経済オンライン)


骨折の原因として挙げられているのは、
- 食生活の乱れ
- 運動不足
- 日光不足
- 姿勢
など、さまざまな要因が指摘されていますが、牛乳が本当に骨を丈夫にするのであれば、毎日のように飲むことで骨折率は低下するはずですよね。
杏林予防医学研究所の山田豊文所長は、「牛乳をよく飲む人(1日2杯以上)は、飲まない人に比べて骨折リスクが2倍以上になる」と自身の研究から述べています。
▼山田豊文氏の著書|牛乳についても詳しく書かれています
③牛乳はガンのリスクを高める


当たり前のことですが、牛乳とは「牛の母乳」。
本来は、牛の赤ちゃんのための飲みものです。
牛乳には、牛の赤ちゃんが大きくなるための成長ホルモン「IGF‐1(インスリン様成長因子)」が含まれています。
この「IGF‐1」の摂り過ぎにより、ガンが促進されてしまうことが指摘されています。
これには、牛の飼育問題も深く関わっています。
牛の飼育現場ではホルモン剤が投与されることがあります。
なぜなら、ホルモン剤によって乳牛の成長が早まり、乳量が20%ほど増加して、より牛乳が搾れるからです。
しかし、ホルモン剤が投与された牛の牛乳には「IGF‐1」が非常に多く含まれていることが報告されているのです。
「IGF‐1」は私たち人間にとっても成長には欠かせないホルモンですが、過剰になると異常な細胞増殖を引き起こし、ガンの発生と促進に繋がると考えられています。
また、ホルモン剤を投与された牛は乳腺炎を起こしやすく、そのため今度は抗生物質が投与されます。
すると、牛乳にも抗生物質が残留する可能性があります。
このホルモン剤・抗生物質の影響は飼育環境にもよります。
すべての牛乳がそうであるわけではなく、また飲む量にも影響は変わってきます。
いずれにしても、牛乳を毎日健康のために飲み続ける上で、デメリットと指摘される部分があることを知っておくといいですね。
牛乳のデメリットについて、もっと詳しく知りたいという人にはこちらの2冊がオススメです↓
牛乳に潜む2つの問題点


繰り返しますが、すべての食品・飲料にメリットとデメリットはあります。
筆者としては、毎日健康のために大量に飲むのではなく、「品質の良い牛乳」を「嗜好品程度」に飲むのがいいと考えています。
ここで、市販されている一般的な牛乳に潜む問題点をお伝えします。
- 農薬や抗生物質が残留している可能性がある
- 劣悪な飼育環境で、牛にストレスがかかっている
農薬や抗生物質が残留している可能性がある


乳牛が食べる飼料に農薬が使われていれば、それは牛乳に残留する可能性があります。
他の食品と同じように、大量生産されている現場ではコストを下げるために飼料も安価なものを選ぶ傾向があります。
であれば、飼料も大量生産されているものを使うことが想像できますね。
そうならないために、残留濃度の基準値が設けられていますが当然それはゼロではありません。
また、成長促進の目的で使われるホルモン剤、病気や体調不良で治療に使われる抗生物質も残留している可能性があります。
劣悪な飼育環境で、牛にストレスがかかっている


市販されている牛乳のほとんどは、ストレスまみれの牛から搾った牛乳です。
日本では、広い牧場で牛を放牧しているところはほとんどありません。
2014年に報告された農林水産省の調査によると、70%以上の農家が乳牛を1頭ずつの狭いスペースに繋いだまま飼育していることが分かっています。



私たち人間に置き換えたら、タタミ1畳の上で生涯を過ごすようなものです。
当然ですが、牛にとっても強いストレスが掛かりますよね。
そんな牛の牛乳を飲んで、私たちが健康を保てるわけがありません。
食品の良し悪しを考える上で重要なことは、カロリーや栄養成分だけで判断をしてはいけないということです。
例えば、牛乳と同じように身近な食品である「卵」も、有精卵と無精卵がありますが、栄養成分にはほとんど変わりはありません。
しかし、その飼育環境の違いで数字に表れない生命力の差が生まれます。
また、乳牛を飼育する現場では、牛にとって本当につらい苦しいことが行われています。
私は正直、この事実を知ってから大量生産されている市販の牛乳を買わなくなりました。
なぜなら、その牛乳を買うことは、苦しんでいる牛の飼育を応援することになってしまうからです。
▼大量生産の背景にある牛の犠牲を知ってほしい


買い物は投票のようなものです。
ですから、牛の健康も考えた飼育をしている「品質の良い牛乳」を選ぶことは、劣悪な環境で飼育されている牛を減らすことにもなるはずです。
安全でおいしい品質の良い牛乳を選ぶポイント
品質の良い牛乳を選ぶポイントは次の5つです。
- 放牧飼育
- ジャージー牛
- ノンホモジナイズ
- 低温殺菌
- 有機JAS認定
5つのポイントをすべて満たしているという牛乳はほとんどありません。
ただし、この5つの中のどれかに該当する牛乳は、それなりに安全性の高い牛乳と言えます。
詳しくはこちらの記事で解説しています↓





こんな牛乳がおすすめです!
まとめ|牛乳は嗜好品として、品質の良い牛乳を選ぶ


牛乳は栄養が豊富に含まれた優れた健康飲料です。
しかし、デメリットを指摘する意見もあることを解説しました。
- 乳糖不耐症(日本人の多くは牛乳を消化できない)
- 牛乳を飲むと、逆に骨がもろくなる
- 牛乳はガンのリスクを高める
また、劣悪な環境で飼育されている不健康な牛から搾った牛乳もあります。
そういう問題点からも、筆者の意見はこうです。
- 毎日健康のために大量に飲むのはおすすめしない
- 品質の良い牛乳を嗜好品として飲む程度がいい
健康を語るので難しいのは、一人ひとり体質が違うことです。
牛乳を必要としている人もいますし、そうでない人もいます。
ですから、メリット・デメリットを理解して、その上で自分で結論を出してゆく必要がありますね。
安全な食品を手に入れるなら食材宅配がおすすめ!
体のことを考えたら、毎日の食事には安全な良い食材を使いたいですよね。
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コンビニや一般スーパーでは、正直、安全な食品は手に入りません。
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そういうお店は、まだまだ少ないのが現状です。
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