秋の味覚、その代表的な果物の一つ「柿」。
果物の中では、一見地味な印象を持つ柿ですが、実は昔から日本人の健康を支えてきた栄養価の高い果物です。
一方で、
「妊婦は柿を食べてちゃいけない」
という風によく言われますが、今回はその疑問にお答えします。
この記事では、
- 柿の栄養と効能
- 柿のデメリット
- なぜ、「妊婦は食べちゃいけない」と言われるのか?
について、詳しく解説します。
この記事を書いている私は、元自然食品店の店長で、現在はWebライターとして活動中。
主に「食の安全」について情報を発信しています。
「柿が好きで、つい食べ過ぎちゃう、、」という人は、ぜひ最後まで読んでください。

Contents
柿の栄養と効能

「柿が赤くなれば医者は青くなる」
こんなことわざがあります。
これは、「柿が赤くなる秋は天候が良いので体調を崩す人は少なく、医者は商売にならないので青ざめる」という意味ですが、そこには「柿が持つ健康効果によって医者がいらなくなる」という意味も含まれていると考えられています。
そんな柿には、ビタミン、ミネラルなどの栄養素がたくさん含まれています。
以下は、一般的な甘柿に含まれる栄養成分です。
甘柿(生)可食部100gあたりの栄養成分
エネルギー | 60kcal |
タンパク質 | 0.4g |
脂質 | 0.2g |
炭水化物 | 15.9g |
食物繊維 | 1.6g |
カロテン | 420μg |
ビタミンC | 70㎎ |
カリウム | 170㎎ |
カルシウム | 9㎎ |
マグネシウム | 6㎎ |
(七訂日本食品標準成分表を参照)
この他にも、強い抗酸化作用を持つβ-クリプトキサンチン、様々な効果を持つタンニンなどを含んでいます。
特筆すべきは、ビタミンCの量の多さです。
みかんの約2倍、レモンの約3倍の含有量を誇り、柿1個でビタミンCの1日必要量をほぼまかなえるくらい含んでいます。
では、それを踏まえた上で、柿に期待される主な効能を見てみましょう。
- 風邪の予防
- 美容効果
- むくみの解消
- 高血圧の予防
- 二日酔いに効く
柿の効能①風邪の予防②美容効果

以外に思う人も多いですが、柿にはビタミンCがとても多く含まれています。
ビタミンCというと柑橘類を想像しますが、柿のビタミンC含有量は、果物の中でトップクラスです。
レモン1個に含まれるビタミンCは約20㎎であるのに対して、柿1個には約70㎎、大きいものであれば約100㎎も含まれています。
ビタミンCには強い抗酸化作用があり、特に美容効果、風邪の予防に効果的な栄養素です。
人間の場合、ビタミンCを体内で合成することができないので、食べ物から摂取しなければなりません。
厚生労働省により設定された1日の推奨量は100㎎とされています。
つまり、大きめの柿を1個食べることで、1日に必要なビタミンCがほぼ摂取できることになります。
ここに、強い抗酸化作用を持つβ-クリプトキサンチンが合わさって、シミやシワを防ぎ、老化防止、風邪を引きにくい体づくりに役立ちます。
柿の効能③むくみの解消④高血圧の予防

柿に多く含まれるカリウムは、利尿作用があります。
カリウムは体内の余分なナトリウム(塩分)の排泄を促し、むくみを解消します。
そして、血圧を下げ、高血圧を予防します。
また、カリウムが不足すると、筋肉が弱り、体がだるくなるので、柿を食べることで体力をアップさせることも期待できます。
柿の効能⑤二日酔いに効く

昔から「柿は二日酔いにいい」と言われます。
それは、柿に含まれるタンニンという成分がアルコールの吸収を阻害し、ビタミンCとの相乗効果でアルコールの分解、排出が促進されるからです。
さらに、カリウムの利尿作用も加わることで、二日酔いの緩和に効果があります。
ちなみに、タンニンは渋みの成分ですが、甘柿にもきちんと含まれています。
タンニンは「可溶性」と「不溶性」があり、この違いによって、甘柿と渋柿に分かれます。
タンニンが可溶性であれば、舌が渋みを感じて渋柿になり、不溶性であれば渋みを感じないため甘柿となります。


柿は食べ過ぎないように【特に妊婦さんは注意】

豊富な栄養素を含み、様々な健康効果が期待される柿ですが、食べ過ぎるとかえって体によくないことが指摘されています。
これは、柿に限らず、どんな食べ物にも言えることですが、柿の場合は、以下のような症状が現われます。
- 便秘、下痢になる
- 貧血を引き起こす
- 頻尿になる
- 体を冷やす
柿を食べすぎると便秘、下痢になる
柿には便通を良くする成分が含まれています。
それが、タンニンとペクチンです。
タンニンは便を硬くしてくれる働きがあり、反対にペクチンは便秘を解消してくれる働きがあります。
適量であれば、快便を保ってくれるのですが、食べ過ぎると、逆に便秘、下痢の原因となってしまいます。
特に、タンニンは多く摂り過ぎると、腸のぜん動運動を阻害してしまい、消化不良を起こし、腹痛をおこしてしまう原因にもなります。
貧血気味の人は柿の食べ過ぎに注意
前述したタンニンには鉄分の吸収を阻害する作用もあります。
貧血気味の人、また妊娠中の人は食べ過ぎないように気をつけましょう。
柿の食べ過ぎで頻尿になる
柿に含まれるカリウムは体内の余分なナトリウム(塩分)や水分を排出する利尿作用があります。
それは健康的な効果なのですが、多過ぎると頻尿になってしまいます。
トイレが近くなるので、食べ過ぎに注意です。
柿は体を冷やす
さて、もう一つ、「柿は体を冷やす」とも言われます。
これは、東洋医学の考えで、柿は陰性食品であることが理由として挙げられます。
食べ物には、陰性・中庸・陽性の性質があり、私たちはその食べ合わせ(組み合わせ)によって体を調節しています。
東洋医学は、現代西洋医学のようにすべてにおいて科学的根拠があるわけではありませんが、何百年何千年と積み重ねられてきた統計的なものが根拠となっています。
その中で、柿は「特に体を冷やす陰性食品」とされています。
低体温や冷え性の人は食べ過ぎないようにしましょう。
そして、「妊婦は柿を食べちゃいけない」と言われる理由がここにあります。
妊娠中は、体を冷やしてしまうと、つわりがひどくなったり、便秘になりやすくなるといわれます。
また、柿をはじめ果物全般に言えることですが、果糖が多いので、食べすぎると血糖値が上がり、肥満や妊娠糖尿病の心配もあります。
ただし、食べ過ぎなければよいので、少量にして、柿の持つ効能と美味しさを楽しみましょう。

農林水産省の「食事バランスガイド」には、柿の1日の適量が示されています。
それによると、男女年齢問わず、柿は1日2個が適量とされています。
美味しい!おすすめの柿

古くは奈良時代から栽培されていたといわれる柿は、1,000種類以上の品種を持ち、日本では庭に柿の木がある家も多いように、とても身近な果物です。
様々な種類がある柿ですが、柿選びに迷ったら、とりあえずこの2種類を選んでおけば間違いありません。
富有柿
柿といえば、この富有柿(ふゆうがき)。
岐阜県瑞穂市発祥の甘柿で、生産量、流通量は国内ナンバーワン。
「柿の王様」と呼ばれる代表的な品種です。
果実は大きく、豊円で整った形、橙紅色の果皮。甘味は糖度16度以上と高く、果汁が多いです。
熟期は11月。
肉厚で柔らかい果肉がとても美味しく、日持ちも良い品種です。
身不知柿
福島県会津の名産身不知柿(みしらずがき)。
渋柿を焼酎で渋抜きした柿です。
甘柿では味わえない、しみいるような甘さが特徴。
果汁が多く、それでいて上品な味が人気です。
名前の由来は、細い木でもたくさんの実をつけているので「身の程知らずなほど実をつける」ことから。
まとめ

果物の中では一見地味な印象を持っている柿。
実は、昔から私たち日本人の健康を支えてきた栄養豊富な健康食品です。
豊富な栄養を含み、風邪の予防や美容効果がある柿ですが、食べ過ぎには注意しましょう。
「妊婦は食べ過ぎちゃいけない」という風にいわれていますが、妊婦さんの場合は、より食べ過ぎに注意して、美味しく味わいましょう。
安心・安全な食材を買うなら食材宅配がおすすめ!
毎日の食事は、安心安全な良い食材で行いたいものです。
私は、食材宅配をおすすめしています。
最近の食材宅配会社は(すべてではありませんが)、
- 「安心安全で美味しい」を基準にしている
- 生産者の顔が分かるように情報を公開している
コンビニや一般スーパーなどで販売されている食材は、その品質が安全かどうかを調べることは、正直とても難しいです。
近くに自然食品の専門店があればいいですが、、、
そういうお店は、まだまだ少ないですよね。
食材宅配なら、パソコンやスマホで簡単に注文できて、届いた商品を安心して食べることができます。
数ある食材宅配の中で、どこを選べばいいのか分からないという方は、私が実際に試してみて、おすすめできる会社を以下の記事で紹介していますので、よければ参考にしてください↓
このブログでは、「食の安全」と「食の問題」をテーマに、私が学んだ情報をお伝えしています。

それでは。
