果糖ブドウ糖液糖とは?砂糖との違いと危険性【遺伝子組み換えの可能性】


「果糖ブドウ糖液糖」ってなに?



添加物なの、、、?
市販ジュースの原材料をチェックすると、かなりの確率で使われている「果糖ブドウ糖液糖」。
砂糖と同じものだと思っている人もいるかもしれませんが、原料も製法も全くの別物です。
この記事では、果糖ブドウ糖液糖とは何なのか、そして、その危険性について詳しく解説します。
記事を読んでいただければ、身近なジュースに潜んでいる問題が分かります。
- 果糖ブドウ糖液糖とはなにか
- 果糖ブドウ糖液糖と砂糖の違い
- 果糖ブドウ糖液糖の危険性
筆者プロフィール


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ジャンクフード中毒から自然食品店長に。
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果糖ブドウ糖液糖とは


果糖ブドウ糖液糖とは「異性化糖」という甘味料の種類の一つです。
異性化糖(いせいかとう、英語: high-fructose corn syrup; HFCS)とは、主にブドウ糖からなるコーンシロップ(トウモロコシ)を、酵素かアルカリによって異性化した果糖とブドウ糖を主成分とする糖をいう。
出典元:Wikipedia
少し分かりずらいですが、トウモロコシ由来の糖分(コーンシロップ)を異性化させたものです。
「高果糖コーンシロップ(HFCS)」とも呼ばれます。
日本ではトウモロコシだけでなく、サツマイモやジャガイモなどのデンプンも利用されています。
デンプンそのものには甘味はありませんが、デンプンに酵素を添加し分解していくことで、甘みをもつブドウ糖が、そして果糖が作られてゆきます。
異性化糖は果糖の含有量によって次の3種類に分かれます。
果糖ブドウ糖液糖 | 果糖含有量が50%以上90%未満 |
ブドウ糖果糖液糖 | 果糖含有量が50%未満 |
高果糖液糖 | 果糖含有量が90%以上 |
この中で特によく目にするのが「果糖ブドウ糖液糖」ですが、これら異性化糖はジュース・清涼飲料水をはじめ多くの飲料に、また食品に使用されています。
ではなぜ、飲料・食品メーカーが異性化糖を使用するのかというと、砂糖の代用品として、非常に安価で使いやすいからです。
果糖ブドウ糖液糖と砂糖の違い


では、ここからは「果糖ブドウ糖液糖」と「砂糖」の違いについて解説してゆきます。
果糖ブドウ糖液糖は砂糖と原料・製法が違い、価格が安く、甘さも強くできるので、飲料メーカーとしては非常に使いやすい甘味料であるといえます。
砂糖との違い①原料・製法
砂糖は、サトウキビやテンサイを抽出・精製したものです。
一方、果糖ブドウ糖液糖はトウモロコシやサツマイモなどの「デンプン」を原料として作られます。



砂糖とは原料だけでなく、その製造工程が全く違います。
①液化→②糖化→③異性化→④精製
- トウモロコシなどのデンプンに、水と「液化酵素」を加えて加熱。液体化させる。
- その後、冷却してから「糖化酵素」により糖化。ブドウ糖に変える。
- さらに「異性化酵素」を使い、割合を決めてブドウ糖を果糖に変える。
- 精製する。
こうして3種類の酵素を利用して異性化させたもの、それが異性化糖です。
砂糖の製法と比べると、より科学的な手法といえます。
砂糖との違い②価格
果糖ブドウ糖液糖はじめ異性化糖の価格は砂糖に比べて安いです。
ちなみに、よく使用される「果糖含有率55%の果糖ブドウ糖液糖」は、砂糖の7割程度の価格です。
そもそも異性化糖が生まれた背景には、砂糖が高価だったことが挙げられます。
異性化糖は、食糧難で砂糖を手に入れることが難しかった時代に、身近にあるイモ類から甘味を作る方法を考え開発されたといわれています。
砂糖との違い③甘さ
果糖ブドウ糖液糖は砂糖とは違い、さわやかでキレのある甘みが特徴です。
低温でも甘みを感じやすいので、ジュースなど清涼飲料水に使われることが多いのです。
ショ糖(砂糖)の甘味を100とすると、ブドウ糖は70、果糖は120~170です。



異性化糖は「ブドウ糖」と「果糖」の割合によって、その甘みが変わってきます。
つまり、果糖の割合の多いものほど甘味が強くなってゆきます。
現在最も多く使われている「果糖含有率55%の果糖ブドウ糖液糖」は砂糖とほぼ同じ甘さですね。
果糖ブドウ糖液糖の危険性【遺伝子組み換えの可能性】


果糖ブドウ糖液糖をはじめ、異性化糖には次のような危険性も指摘されています↓
- 過剰摂取しやすい
- 原料が「遺伝子組み換え」の可能性
危険性①過剰摂取しやすい
どんなものも過剰に摂り過ぎることで健康への悪影響が指摘されます。
特に、砂糖の摂り過ぎはさまざまな弊害を生むことが知られていますね。
砂糖の過剰摂取による危険性については、別の記事で詳しく解説していますので参考にしてください↓


さて、果糖ブドウ糖液糖をはじめとした異性化糖には「果糖」が多く含まれているわけですが、「果糖」には満腹感を得られにくいという特徴があります。
そのため、過剰に摂り過ぎてしまう傾向があるのです。
果糖とブドウ糖はどちらも単糖類ですが、ブドウ糖の場合は摂取後、インスリンや血糖を抑えるGLP-1(グルカゴン様ペプチド1)が増加して、食欲を刺激するグレリンの分泌を抑えます。
分かりやすくいうと、ブドウ糖の場合は満腹感を得られるのです。
それに対して、果糖はインスリンやGLP-1の分泌が増えず、グレリンを抑制できません。
つまり、果糖を摂取しても満腹感を得られにくいので、空腹が解消されにくく、そのため食べ過ぎてしまう可能性があるのです。
また、果糖は体内で中性脂肪に変わりやすく、ブドウ糖と比べても「糖化」しやすいことが指摘されています。
砂糖よりも「果糖」を多く含む異性化糖は、満腹感を得られにくいため過剰摂取しやすく、その結果、砂糖以上に肥満や虫歯、そして老化を招きやすい糖分であるといえます。
以下は、お茶の水健康長寿クリニック院長の白澤卓二博士の記事から引用したものです↓
最近の研究では、異性化糖が肥満や高血圧、糖尿病の要因であると指摘する研究者が増えています。果糖ブドウ糖液糖を含む清涼飲料水を1日に1回でも飲む人が太りやすいことも、いくつかの研究論文で明らかになっています。
また、1日1リットル炭酸ジュースを飲んだときに相当する果糖溶液を、ラットに6週間摂取させて記憶力と神経細胞を調べた、カリフォルニア大学ロサンゼルス校のフェルナンド・ゴメツピニラ博士らの実験によると、果糖を摂取したラットは記憶力が低下して迷路試験を解くのに通常の2倍以上の時間を要し、海馬で200以上、視床下部では700以上の遺伝子が異常なパターンを示したことがわかっています。
出典元:東洋経済オンライン【「お菓子習慣」があなたの体を秘かに蝕むワケ】
▼白澤卓二博士の本です。砂糖、異性化糖、人工甘味料の問題について詳しく書かれています。
▼こちらは異性化糖の問題について、多くの研究や論文が紹介されている本です。
危険性②遺伝子組み換えの可能性
異性化糖の原料は主にコーンシロップ。
つまり、トウモロコシです。
日本のトウモロコシはそのほとんどを輸入に頼っていて、そのうち9割がアメリカ産です。
2012年の米国農務省の調べによると、アメリカ産トウモロコシの8割以上が「遺伝子組み換え」であることが分かっています。
つまり、異性化糖の原料となるトウモロコシは、そのほとんどが遺伝子組み換え作物の可能性があるということです。
「遺伝子組み換え」とは、生物を遺伝的に改造する方法のこと。
作物に他の遺伝子を取り込むことで、新しい性質をもった作物が完成します。
これを「遺伝子組み換え作物」と呼び、この作物を原料に作った食品が「遺伝子組み換え食品」と呼ばれています。
遺伝子組み換え食品が安全かどうかは、多くの研究者の間でいまだ議論が続いています。



現時点では、その危険性はグレーというべきでしょうか。
「遺伝子組み換え」のメリットは、従来の品種改良よりも格段に時間が短縮できることです。
本来は、作物に新たな性質を持たせるためには何世代もの交配を行う必要があります。
しかし、遺伝子組み換えであれば、何世代にも渡る交配は不要で、より早く新たな性質を持つ作物をつくることができます。
また、遺伝子組み換え作物が開発された背景には、「除草剤に強い作物をつくって収量を増やすこと」「害虫に強い作物をつくること」などといった生産量の増加を目的としているところがありますので、食糧不足問題に対しての改善が期待されています。
それに対して、デメリットとして挙げられているのが人体や環境へ害をもたらすのではないか、という点です。
これまでにさまざまな実験がされており、遺伝子組み換え食品を摂り続けることで、主に次のような健康被害が懸念されています。
- 病気やアレルギーの発症
- 生殖機能の低下
- 肝臓や腎臓などの器官への悪影響
厚生労働省は厳しい審査を行っており、アレルギーを発症させるような作物は出回らないようにしていますが、現時点では「安全性はグレー」という見方をする研究者が多いです。
さらに、環境に与える影響も問題視されています。
遺伝子組み換え作物の花粉が飛散して、何らかの形で自然の作物に組み込まれることによって、意図せずに遺伝子組み換え作物が広がってしまう可能性もゼロではありません。
そうした人体や環境への影響を危惧して、世界中で反対運動が行われています。
「完全に安全だと言い切れない作物を受け入れるわけにはいかない」
そんな主張がされるのは、決して特別なことではありません。
消費者の間でもまだしっかりと認識がされておらず、そのため、現時点では健康被害が懸念されるものについては、できれば避けたい食品です。
まとめ


「果糖ブドウ糖液糖」は、トウモロコシなどのデンプンから作られる「異性化糖」です。
歴史を振り返ると、砂糖が手に入りにくかった時代の救世主として、多くの人の食生活を支えたことも事実です。
しかし、安価で大量に使われる異性化糖は今、新たな健康問題の要因としても指摘されています。
食の問題は、まずは知ること。
そして、その上で、それぞれが答えを出してゆかなければならないと思いますね。


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