「栄養の宝庫」鰹節にデメリットはあるか【安全でおいしい鰹節の選び方】


鰹節ってどんな栄養があるんだろう、、、
デメリットはあるのかな?



良い鰹節の選び方が知りたい!
そんな人のために、日本の伝統食・鰹節について詳しく解説します。
- 鰹節の栄養と期待される効能
- 鰹節のデメリット
- 安全でおいしい鰹節を選ぶポイント
出汁や料理のトッピングによく使われる鰹節(かつおぶし)は、和食には欠かせませんね。
鰹節は「栄養の宝庫」と呼ばれるくらい内容がすごいんです↓
この記事では鰹節に含まれる栄養成分と、それにより期待される効能について詳しく解説します。
また、記事の後半では「鰹節を選ぶポイント」も紹介しますので、安全でおいしい鰹節を手に入れたい人はぜひ最後まで読んでみてください。
鰹節の栄養を知ったら、、、
すぐにでも食べたくなると思いますよ(笑)
筆者プロフィール


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ジャンクフード中毒から自然食品店長に。
20代で体調を大きく崩し、食養を学んで病弱体質を改善。自然食の仕事10年以上の経験と体験をもとに「安全な食品の選び方」と「体にいい自然食」について発信中!
鰹節とは


はじめに鰹節について簡単に解説しておきます。
鰹節とは、カツオの身を煮熟してから乾燥させた日本の伝統的な保存食品です。
一般に、削る前のものを「鰹節」といい、削ったあとのものを「削り節」といっています。
具体的には、カツオの脂身を取り除いた切り身を茹でて、骨を一つ一つ綺麗に取り除き、何度も燻して乾燥させます。
その後、乾燥させたものの表面を削り取り、カビ付けをして熟成と発酵を促し、さらに天日干しをして、それを繰り返します。
出来上がるのに早いもので3か月、長いもので6か月もかかります。



丁寧に作り上げるその工程から、日本職人のこだわりを感じますね。
日本には古くからカツオの加工品があったとされていますが、現在のような鰹節が出回るようになったのは江戸時代の中期で、この製法を発明したのは和歌山県印南の漁民であった角屋甚太郎といわれています。
ちなみに、カビ付けする前の状態を「荒節」、カビ付けして出来上がったものを「枯節」といいます。




また、使われる部位によって「本節」「亀節」と呼び名が分けられます。
鰹節に含まれる栄養


以下は鰹節(100g)あたりの栄養成分です。
エネルギー | 332kcal |
タンパク質 | 77.1g |
脂質 | 2.9g |
炭水化物 | 0.8g |
カリウム | 940mg |
リン | 790mg |
ナイアシン | 45.0mg |
セレン | 320ug |
ビタミンB12 | 15.0ug |
カルシウム | 28mg |
マグネシウム | 70mg |
ナトリウム | 130mg |
鰹節は非常に栄養価が高い食品です。
削り節を出汁(だし)として使うことが多いですが、江戸時代には「疲労回復に良い」とされ、非常食にも用いられていたといいます。
低カロリーで高タンパク。
そして、さまざまな栄養素がバランスよく含まれています。
特にDHA、タウリン、カリウム、イノシン酸が多く含まれていることが注目されています。
鰹節に期待される効能


鰹節に含まれる豊富な栄養成分によって期待されるのが、主に次の5つです。
- 疲労回復
- 骨を丈夫にする
- 脳の活性化
- 肝機能の改善
- 美肌作用・ダイエット効果
効能①疲労回復
鰹節には良質なタンパク質が豊富に含まれています。
タンパク質は筋肉をはじめ体づくりに必要な栄養素で、疲労回復効果も期待できます。
鰹節には約30種類のアミノ酸が含まれているといわれ、その中には必須アミノ酸9種類も含まれています。
必須アミノ酸は生きていく上で必要な栄養素ですが、体内で作ることが出来ないので、食べ物から摂取しなければなりません。
特に、必須アミノ酸の1つである「トリプトファン」は、睡眠を促すホルモン「メラトニン」の材料でもあり、不足してしまうと不眠症になりやすくなるといわれています。
睡眠の質を良くすることもまた、慢性的な疲労を回復することに繋がります。
効能②骨を丈夫にする
鰹節には骨に必要なカルシウムやリン、マグネシウム、ビタミンDがバランスよく含まれています。
これらの栄養成分は不足しがちで、特に成長期の子供やお年寄りは骨折のリスクが高いです。
毎日、鰹節を食べることで丈夫な骨が作られ、骨粗鬆症の予防にも繋がります。
効能③脳の活性化
鰹節にはDHA(ドコサヘキサエン酸)も多く含まれています。
DHAは脳の発達に大きく関わる栄養素ですが、体内ではほとんど作ることが出来ません。
特に、情報伝達をスムーズに行うために必要な成分で、不足すると学習面や記憶力の低下が心配されます。
DHAを毎日の食事で補うことで、脳の機能が改善されて、物忘れや認知症の予防につながるとされています。
効能④肝機能の改善
鰹節にはタウリンも多く含まれています。
タウリンはアミノ酸の1つで、血液や母乳にも含まれている体づくりに欠かせない栄養素。
中でも、肝臓で作られる胆汁酸の分泌を促し、肝細胞の再生も促進してくれる働きから、肝機能の改善に効果的といわれています。
肝臓は体内の解毒臓器でもあり、アルコールや甘いものを多く摂っている人は肝臓をいたわってあげる必要があります。
効能⑤美肌作用・ダイエット効果
鰹節といえばうま味成分の「イノシン酸」が含まれていることで有名です。
実はこの成分はDNAの材料でもあり、私たちの体づくりにも深く関わっていることが研究で分かってきました。
イノシン酸を摂取すると細胞が活性化し、新陳代謝が活発になります。
そのため肌の生まれ変わりや髪の毛の生え代わりを促進してくれるので、美肌作りや、髪の健康、育毛効果が期待できます。
また、新陳代謝がよくなることは、それだけエネルギーの消費量が増えることになりますので、ダイエットにも繋がります。
鰹節のデメリット


鰹節を食べる上でデメリットはほぼありません。
「ほぼ」という表現をすると、デメリットがあるように聞こえてしまいますが、まずはじめに理解しておくべきことは「どんなものでも食べ過ぎたら体に悪い」ということです。
確かに鰹節にはプリン体やヒスチジンなど、過剰に摂取したら体に影響が出る成分が含まれています。
しかし、現実的に鰹節を食べ過ぎること、またそれを日常的に継続することは考えにくく、そのため健康上はほぼデメリットはないといえます。
ここでは、デメリットとして指摘されることのある3つの点を説明します。
- 痛風になる可能性がある
- アレルギーを引き起こす可能性がある
- 発ガン物質が含まれている
痛風になる可能性がある?
よく言われるのが「鰹節を食べ過ぎると痛風になる可能性がある」ということですが、数値上はまったく心配ありません。
日本痛風・核酸代謝学会によると、プリン体の1日当たりの適量は400㎎以下です。
鰹節1g当たりに含まれるプリン体量は4.93mgですので、この数字をもとに計算すると81g食べないと適量は超えません(400÷4.93=81.1g)。
81gというと、一般的に販売されている鰹節2gの小袋が40パック必要です。
プリン体は含まれていますが、痛風になる可能性は極めて低いといえます。
アレルギーを引き起こす可能性がある?
同様に、アレルギーを引き起こす可能性も低いといえます。
鰹節にはアレルギー原因物質「ヒスチジン」が含まれますが、ヒスチジンの1日あたりの適量8.9gを超すには2gの小袋が4パックは必要です。
プリン体ほどではありませんが、4パックを毎日食べ続けることは考えにくいですね。
発ガン物質が含まれている?
鰹節は基本的に無添加で、まさに「自然食品」です。
しかし、ヨーロッパでは鰹節の輸入が禁止されています。
カツオの切り身を燻す過程でベンゾピレンなどの多環芳香族炭化水素類・通称「PAHs」が生成されていると指摘があるからです。
この物質は、タバコの煙や排気ガスなどにも含まれ、発がん性が認められている化学物質です。
しかし、このPAHsについて国際機関であるJECFAは「食事からの推定摂取量を考慮すれば健康への懸念は低い」としています。
現状、EUの食品安全基準では輸入禁止食品になっていますが、日本では環境省の基準とする無毒数値よりかなり低いことが分かっているので、リスクになることは考えられていません。
また、近年は放射能汚染を気にする人がいますが、鰹節に使用されるカツオのほとんどはフィリピンやインドネシアなど赤道付近で獲れたカツオで、その心配はほとんどないとされています。
実際に、現時点で鰹節から放射性物質は検出されていません。
安全でおいしい鰹節を選ぶポイント


ここからは「食の安全」を考える人のために。
より良い鰹節を選ぶのであれば次の2つがポイントです。
- 酸化防止剤を使っていない
- 枯節がおすすめ
ポイント①酸化防止剤を使っていない
鰹節はカツオを原料とした自然の食品です。
基本的に合成の食品添加物を使うことはありませんが、鰹節を削った「削り節」の場合は酸化しやすいため「酸化防止剤」が使われることがあります。
現在は包装技術が上がり、酸化防止剤を使わなくても品質を維持することが可能になっています。



「酸化防止剤不使用」と記載されているものを選べば大丈夫です!
ただし、やはり削り節は酸化しやすいので、開封したら冷凍庫に保存することをおすすめします。
ポイント②本枯節がおすすめ
市販品の多くは「荒節」で、本来の鰹節は「枯節」です。
荒節は1か月ほどで出来上がりますが、枯節は出来上がるのに3~6か月かかります。
もちろん、荒節も料理に使えるものですが、おいしさを求めるなら枯節がおすすめです。
枯節はカビ付けにより乾燥と熟成が進んでいくため、魚くささが抜けて、よりすっきりとしたまろやかな味わいになっています。
安全でおいしい鰹節を紹介!
今ではほとんど見られませんが、昔は各家庭で鰹節を削るのが当たり前でした。
やはり鰹節は削りたてが1番美味しいです。



おいしい鰹節を求めるなら、自分で削るのがおすすめです!
自分で削ったら、本当においしいです。
きっと、やみつきになってしまいますよ(笑)
▼本枯節がおすすめ
▼削り器が必要です
▼希少ですが、枯節の削り節もあります
まとめ


実は鰹節は海外でも作られています。
いまや世界中に注目される日本の伝統食品の一つなんです。
鰹節にはさまざまな栄養が含まれ、その効能は驚くほどの内容です。
そして何より、その製造に日本職人の技術が詰め込まれています。
ぜひ1度、自分で削って食べてみてほしいですね。
きっと、鰹節のとりこになりますよ。


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コンビニや一般スーパーでは、正直、安全な食品は手に入りません。
(あっても、非常に少ないです)
近くに自然食品店がある人はいいですが、、、
そういうお店は、まだまだ少ないのが現状です。
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