マーガリンが体に悪い理由【世界でトランス脂肪酸が規制されている】


マーガリンは体に悪いって聞くけど、本当なの?



マーガリンの何が問題なの?
こんな疑問に答えます。
- マーガリンが体に悪いといわれる理由
- トランス脂肪酸について
- 安全なマーガリンの選び方
筆者プロフィール


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ジャンクフード中毒から自然食品店長に。
20代で体調を大きく崩し、食養を学んで病弱体質を改善。自然食の仕事10年以上の経験と体験をもとに「安全な食品の選び方」と「体にいい自然食」について発信中!
健康について関心がある人なら「トランス脂肪酸」の問題について聞いたことがあるでしょう。
トランス脂肪酸を多く含む食品の代表にマーガリンがあります。
バターよりも安価で、パンにも塗りやすく使い勝手が良いことから、多くの人に利用されていますよね。
しかし、海外ではマーガリンは問題視されていて、厳しく規制がされています。
この記事ではなぜマーガリンが体に悪いのか、そして安全なマーガリンはあるのかを詳しく解説します。
記事を読み終えたら、もうマーガリンは使わなくなる!?
、、、かもしれません(笑)
マーガリンが体に悪い理由


マーガリンが体に悪いといわれる理由は、マーガリンに多く含まれる「トランス脂肪酸」が原因です。
トランス脂肪酸とは
トランス脂肪酸とは脂肪酸の一種です。
脂肪酸には飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があり、不飽和脂肪酸の構造で水素原子が炭素間の二重結合をはさんで同じ側についているものを「シス型」、それぞれ反対側についているものを「トランス型」といいます。
言葉では少し分かりづらいと思いますが、下の画像にあるとおりです。


そしてまた、トランス脂肪酸には「天然にできるもの」と「油脂を精製・加工する際にできるもの」があります。
実は、牛や羊などの反芻動物(はんすうどうぶつ)は胃の中のバクテリアの働きによって、自然にトランス脂肪酸が生成されます。
なので、牛肉や羊肉、牛乳・乳製品の中には微量のトランス脂肪酸が含まれているのです。
一方で、大豆油やなたね油などの植油脂から半固体または固体の油脂をつくる際に水素を添加する製法があるのですが、このときにもトランス脂肪酸が生成されます。
この代表的なものがマーガリンやショートニング、ファストスプレッドです。
トランス脂肪酸の問題点
トランス脂肪酸を過剰に摂取すると、心疾患などさまざまな健康被害を引き起こす可能性があることがこれまでの研究により分かっています。
通常の飽和脂肪酸や不飽和脂肪酸と違い、トランス脂肪酸は体内で栄養にならず利用できないため、分解・吸収できずに体内に残ってしまいます。
すると、細胞やホルモンの生成に影響を与える可能性があるとされています。
過剰摂取により、肥満、心疾患、ガン、うつ病、認知症、アレルギーなどを発症させてしまうリスクがあることが指摘されているのです。
そのため、諸外国ではトランス脂肪酸の摂取に対する規制がされています。
世界でトランス脂肪酸が規制されている


2003年、WHO(世界保健機構)はトランス脂肪酸を摂ることで冠動脈疾患のリスクが高まることを報告しました。
WHOによると、世界中で年間50万人がトランス脂肪酸による心疾患、動脈硬化によって亡くなっているそうです。
そうした報告を受けて、世界ではトランス脂肪酸の規制が進んでいます。
アメリカでは2006年から加工食品にトランス脂肪酸の含有量表示を義務づけ、2018年にはトランス脂肪酸を食品添加することを原則禁止にしています。
FDA(米国食品医薬品庁)も「人工的なトランス脂肪酸が心臓発作など健康への害がある」と判断したためです。
米国は、加工食品中のトランス脂肪酸の含有量の表示を義務づけています。また、2015年6月17日に、部分水素添加油脂の食品への使用規制を公表し、この規制を2018年6月18日から開始しました。ただし、規制の開始前に製造された食品や、部分水素添加油脂を特定の目的・方法で使用して製造された食品については、規制の開始を延期しました。
出典:農林水産省「トランス脂肪酸に関する各国・地域の規制状況」
また、アメリカのニューヨーク州・カリフォルニア州では、食品への使用禁止に加えて、飲食店の揚げ物や調理での使用も禁止されています。
その他、カナダ・タイ・台湾でもトランス脂肪酸の食品への使用が禁止に。
EUではトランス脂肪酸の上限値を設定し、表示を義務付けています。
また、中国・韓国でもトランス脂肪酸の表示が義務付けられています。
そんな中、ここ日本ではトランス脂肪酸の表示義務、規制はありません。
一見、世界に後れを取っているように感じますが、これは、日本人の摂取量なら今のところ問題ないとされているからです。


農林水産省の調査結果でも「日本人の1日当たりのトランス脂肪酸の摂取平均量は約1gである」と推定され、その量はWHOによる基準値2gの半分です。
しかし、依然日本では心疾患で亡くなる人が多いのが現状。
もちろん、心疾患の原因のすべてがトランス脂肪酸ではありませんが、私たちの食生活の中にかなり多くのトランス脂肪酸が紛れ込んでいるのも、これまた事実です。
代表的なマーガリンだけでなく、お菓子・パン・アイスなどの多くにショートニングが使われています。
また、ファストフードや飲食店で使われている油にもトランス脂肪酸が多く含まれている可能性があります。
想像以上に私たちの生活はトランス脂肪酸に囲まれているというわけです。
WHOはトランス脂肪酸の摂取を総エネルギー摂取量の1%未満に抑えるように目標を設定しています。
今、世界中でトランス脂肪酸を可能な限り減らす取り組みが進んでいるのです。
安全なマーガリンは存在するのか


安全なマーガリンを選ぶ方法は、なるべくトランス脂肪酸の含有量の少ないマーガリンを選ぶことです。
そして、バターを選ぶということです。
トランス脂肪酸の少ないマーガリンを選ぶ
最近ではトランス脂肪酸を少しでも減らすように商品開発をしている会社も多いようですので、調べてみたら安全といっていいようなマーガリンがいくつか見つかりました。
商品のホームページを見れば、トランス脂肪酸がどのくらい入っているのかを確認することができます。



気になる人はチェックしてみましょう!
創健社の「べに花ハイプラスマーガリン」はトランス脂肪酸が10gあたり0.03gと非常に少ないです。加えて、香料・酸化防止剤・着色料が不使用なカラダにやさしいマーガリンです。
バターを選ぶ
バターの原料は生乳です。
人工的に作られたマーガリンとは違い、自然な動物性油脂を原料としたシンプルな製法のバターは、マーガリンよりも安全といえるでしょう。
ただし、牛の飼料に「遺伝子組み換え作物」が使用されていることがあり、その安全性が懸念されています。
また、バターには飽和脂肪酸が多く含まれているため、摂り過ぎるとLDLコレステロールを増やす要因にもなります。
バターに関しても、その品質はピンキリですね。
フランスの高級バター「エシレ」は、高い品質で知られています。EUのAOP認証を取得した発酵バターは1度は味わってもらいたい絶品です。
まとめ


- マーガリンが体に悪いとされる理由は「トランス脂肪酸」を含んでいるから
- トランス脂肪酸は過剰に摂取することで体への悪影響が懸念され、世界中で規制が進んでいる
- 日本は、1日あたりの摂取量がWHOの基準値(2g)に満たないことから、今のところ規制はされていない
- マーガリンやお菓子、揚げ物などにトランス脂肪酸は含まれている
- 安全なマーガリンを選ぶなら「トランス脂肪酸の少ないマーガリン」を。もしくは「バター」を選ぶ。
日本では特に規制がないからという理由で「安全」と信じて込んでしまう人もいますが、海外の状況を知ると決して楽観視はできません。
それくらいトランス脂肪酸は多くの食品に含まれています。
自分が思っている以上にトランス脂肪酸を口にすることが多いということを理解して、摂取を減らすということが一番安全な道のようですね。


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