日本は農薬大国!? 農薬使用量は世界一!?【消費者が変われば、生産者、そして国も変わります】


野菜を買うなら、やっぱり国産がいいよね?



日本の野菜が1番安全でしょ!
日本人は日本のものづくり、その姿勢を信頼をしています。
それは、野菜など毎日食べる食品に対しても同じで、「国産が安全」と信じて疑わない人は多いです。
しかし、日本の農薬使用量は世界一のレベルです。
海外では禁止されている農薬が、なぜか日本では使われ続けています。
日本が抱える農業問題。
これは、消費者である私たちもしっかりと考えなければならない問題です。
- 日本の農薬事情
- 日本の農業を変える方法
- 安全でおいしい国産野菜を買うおすすめの方法
筆者プロフィール


\Twitterフォロワーさま1.5万人突破!/
ジャンクフード中毒から自然食品店長に。
20代で体調を大きく崩し、食養を学んで病弱体質を改善。自然食の仕事10年以上の経験と体験をもとに「安全な食品の選び方」と「体にいい自然食」について発信中!
食の安全を考える人、本当に安全な野菜を求めている人のために、この記事を書きました。
日本にも逆境ともいえる中、安心安全な農業を実践している生産者がいます。
その人たちが育てた野菜を買うことは、その農業を応援することになり、自然環境を守ることにも繋がります。
自分の健康だけでなく、環境にもいいんです。
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日本は世界トップクラスの「農薬大国」


国産しか選ばない、国産しか食べない、という人には驚きかもしれませんが、現在の日本は紛れもない「農薬大国」です。
事実、そう言い切れる理由があります。
では、1つずつ解説してゆきます。
①農薬使用量は世界トップクラス


下のグラフは、農林水産省が作成した2009年時点の各国の「農薬使用量」です。
少し古いデータですが、この時点で、日本の農薬使用量はすでに世界で1・2位を争っています。
出典元:農林水産省「農薬をめぐる情勢」
上記グラフには、先進主要国の中国やアメリカが載っていませんでしたので、調べてみました。
▼世界各国の農地1haあたり農薬使用量(2017年)
台湾 | 13.3㎏ |
中国 | 13.1㎏ |
イスラエル | 12.6㎏ |
韓国 | 12.4㎏ |
日本 | 11.8㎏ |
ドイツ | 4.0㎏ |
フランス | 3.6㎏ |
イギリス | 3.2㎏ |
アメリカ | 2.5㎏ |
ロシア | 0.2㎏ |
FAO(国連食糧農業機関)の統計によると、日本の農薬使用量は2017年時点では農地1haあたり11.8㎏に減りました。
しかし、諸外国と比べますとその数値は依然世界トップクラスです。
ただし、この数値に対しての反対意見もあります。
それは、農薬の使用量は栽培する作物、また気候条件によって違うからです。
例えば、農薬を多く使っているイメージのアメリカですが、1haあたりの使用量は少ないですね。
これは、アメリカでは小麦・トウモロコシなどあまり農薬を使わなくてもいい作物の栽培が多いからという見方もできます。
大きな国土を持っている国では、こういった作物を大規模に栽培しているので、単位面積でみれば使用量は少なくなります。
また、アメリカの場合は「遺伝子組み換え事業」が進んでいることも理由の1つに考えられますね。
それに対して、日本ではキュウリやトマト、また果物など、小さな農地で単一的に長く収穫していく栽培が多く、農薬の使用量が多くなるのは仕方ないという見方もできます。
また、日本は温暖で雨が多い気候なので、病害虫が発生しやすいことも理由に挙げられます。
(雨が降ると植物に付着した農薬が流れてしまい、もう一度散布しなければならないので使用量が多くなる)
「農薬の使用量」は色々な要素が絡んでいるので、単純に比較することはできません。
しかし、です。
確かに、そういう理由はありますが、日本と同じように国土が小さいドイツやイギリスの農薬使用量は非常に少ないのです。
また、気候に悩んでいるのは決して日本だけではありません。
繰り返しますが、「農薬の使用量」は色々な要素が絡んでいるので単純に比較することはできません。
ですが、それを踏まえても、日本の農薬使用量は多いと言えます。
②海外に比べて農薬の基準が緩い


前述した通り、日本の農薬使用量は海外と比較しても多いです。
アメリカは日本の5分の1。
ヨーロッパ諸国も使用料は少なく、イギリス・ドイツは日本の3分の1しか使っていません。
スウェーデンに至っては20分の1です。



これは、ヨーロッパが政策で「農薬の使用量」を減らしているからです。
つまり、農薬の使用量は政策によって決められているということです。
国が厳しい基準を設ければ、農薬の使用量は当然減りますよね。
国の基準をもとに、農薬の使用量、散布回数が農協などによって指導されているからです。
実は、農薬使用量の多さは、農家さんの責任というよりかは、国の政策、その基準による影響が大きいと言えます。
日本は残留農薬の基準値がヨーロッパに比べると非常に高く、作物によっては100倍以上のものもあります。
残留農薬の基準値が高いということは、その分多く農薬を使えることになります。
農家さんからすれば、国の基準をもとに農協に指導されているのですから、しっかり農薬を使って栽培し、色・形を整えて出荷するのは当然です。
その規格にあわなければ出荷させてもらえないこともあるからです。
③海外では禁止されている農薬が使われ続けている


現在、「世界で最も使われている殺虫剤」と言われているのが、ネオニコチノイド系農薬です。
名前から想像できるように、タバコに含まれるニコチンに似た成分がベースとなっています。
ネオニコチノイドは1990年代に発売され、世界中でお米や野菜など多くの作物に使われています。
しかし、ネオニコチノイドに人間や動物に対する毒性があることが分かり、世界各国で規制強化の動きがあります。
近年、その強い毒性は昆虫にまで影響があることが指摘され、ハチの大量死、赤トンボの激減を招いた要因とも言われています。
特にハチへの影響は、多くの研究者が「無視できない問題」として、警鐘を鳴らしています。
なぜなら、ハチは花から花へ花粉を運び、農作物が育つのを自然に助けてくれているからです。
相対性理論で有名な物理学者アインシュタインが「もしこの地球上からハチが消えたなら、人類は4年しか生きられない」と述べていることも頷けます。
ハチは作物を育てるのに欠かせない生物で、もしいなくなれば経済的損失は全世界で20兆円に上るとも言われています。
これらのことから、ネオニコチノイド系農薬は私たちの健康や環境への影響が大きいとされ、海外では規制が強化されているのです。
EU→現在使用が認められているネオニコチノイド系農薬5種類のうち3種類の使用を禁止
フランス→2018年9月に5種類すべての使用を禁止する法案が可決
そんな世界の動きに反して、ここ日本では規制が強化されるどころか残留基準値が緩和されています。
国民の認知度も低く、未だこの問題を知らない人は多いのが実状です。
さらに、私たちが食べる食品の中から、毒性が強い除草剤グリホサートの成分が検出されていることも問題に上がっています。
グリホサートは人間の体からも成分が検出され、消費者の中では心配の声が強まっています。
農薬のリスクに関してはこちらの記事で詳しく解説していますので、参考にしてください↓


④日本はオーガニック後進国


日本人の多くは、中国産の野菜を嫌います。
実際に中国は農薬の使用量が多い国ですが、実は近年最もオーガニック農業が成長している国でもあります。
2019年、ヨーロッパのオーガニック有機農業研究所FiBLが発表したレポートでは、中国のオーガニック農場面積は世界3位で、アジアではトップです。
出典元:FiBL「The World of Organic Agriculture 2019」
これは、中国の国土の広さも関係していると考えられますが、農業面積に対しての比較を見てみても中国は全農業面積の0.6%がオーガニック農業です。
これに対して、日本はわずか0.2%です。
前述した通り、日本は気候が高温多湿に変化して、農地も狭く、同じ作物を繰り返し作る単一栽培が多く、そのため農薬を多く必要とします。
しかし、農薬を使えば使うほど害虫は耐性を持ち、農薬を使っても死なない虫が増えてきて、さらに農薬を増やさなければならないという悪循環が起きてしまいます。
「奇跡のりんご」で有名な自然農法を提唱する木村秋則氏は、日本の農薬事情に警鐘を鳴らしています。
残留農薬のある野菜を食べ続けると体内に蓄積されていって、めまいや吐き気、皮膚のかぶれや発熱を引き起こすなど、人体に悪影響を及ぼすとされています。日本の食材は世界から見ると信頼度は非常に低く、下の下、問題外。
もう日本人だけなのです。日本の食材が安全だと思っているのは。
ヨーロッパの知り合いから聞いた話ですが、日本に渡航する際、このようなパンフレットを渡されたそうです。
「日本へ旅行する皆さんへ。日本は農薬の使用量が極めて多いので、旅行した際にはできるだけ野菜を食べないようにしてください。あなたの健康を害するおそれがあります」
出典元:現代ビジネス「日本人だけが知らない!日本の野菜は海外で汚染物扱いされている」
▼木村秋則氏の著書
日本はまだまだ無農薬栽培やオーガニック農業は拡がっていません。
(もともとはすべて無農薬栽培だったわけですが)
実際に行ってみると分かりますが、アメリカやヨーロッパでは、オーガニックに対しての国民の意識が非常に高いです。
残念ながら、日本は「オーガニック後進国」と言わざるをえません。
無農薬栽培・オーガニック栽培・自然栽培が普及されることは、私たち人間の健康を守るだけでなく、環境を守ることにもなり、それは持続可能な社会へと繋がります。
その為には、まず私たち一人ひとりの意識がそこに向く必要があるのです。
消費者が変われば、生産者、そして国も変わる


日本の農薬使用量が世界の中でも多いこと、海外に比べて農薬の基準が緩いことなど、日本の農業事情が分かったら、もう国産が安全とは言えません。
もしかしたら、外国産の野菜・果物を積極的に買う人もいるかもしれませんね。
しかし、日本にも逆境ともいえる中、安心安全な農業を実践している生産者がいます。
その人たちが育てた作物を買うことは、その農業を応援することであり、日本の農業を変えてゆくことにも繋がります。
買い物は投票


日本にも、こういった問題に正面から向き合い、安心安全な無農薬栽培・オーガニック栽培、あるいは自然栽培に取り組んでいる生産者がいます。
決して多いとは言えませんし、価格も高めです。
しかし、その人たちが育てる野菜や果物を選んで買うことが、その農業を応援することになります。
買い物はある意味、「投票」みたいなものです。
消費者が、無農薬野菜やオーガニック野菜を選べば、オーガニック農業は拡がってゆきます。
そして、環境は変わり、社会全体が変わってゆきます。
現にアメリカやヨーロッパでは、国民の農薬に対しての反対運動、オーガニックに対しての購買力が、農業事情に変化をもたらしているのです。
「身土不二」の教え


日本の食養には「身土不二」という考え方があります。
「身土不二」とは、体と土地(環境)は切り離せない関係を意味しています。
もっと分かりやすく言うと、「日本人は日本で採れるもの、その土地で代々受け継がれてきたものを食べるのが体に良い」ということです。
この考えは、野菜だけに限らず、他の食物にも当てはまります。
その土地に暮らす民族が代々受け継いできた食文化というものは、命を絶やさないために受け継がれてきた健康を守る食べものなのです。
当然、国や地域、民族によって違いはあります。
私たちの体は食べもので出来ています。
日本人は、日本の作物を食べるのが健康に良いのです。
身土不二に関しては、こちらの記事でより詳しく解説しています↓


安全でおいしい国産野菜を買う方法【おすすめは3つ】


安心安全な国産野菜を買うなら、次の3つをおすすめします。
- 食材宅配サービス
- 自然食品店
- 道の駅
もちろん、一般スーパーでも手に入らなくはないですが、品質の良い野菜を選ぶのは正直難しいです。



1番のおすすめは食材宅配サービスです!
①「食材宅配サービス」を利用する
「自然食品店」や「道の駅」でも安全な国産野菜は手に入りますが、近くにそういうお店がない人もいますよね。
また、仕事や育児で忙しくて頻繁に買い物に行けない人もいます。
そこでおすすめなのが「食材宅配サービス」です。
食材宅配サービスには、安全な国産野菜を取り扱っているところが多く、一般スーパーと比べても品質が高い食品が手に入ります。
- 無添加食品や無農薬野菜が手に入る
- 生産者の情報もくわしく分かる
- 買い物に行かなくてもいい
- スマホで簡単に注文できる




もちろん、デメリットもあります。
それは、一般スーパーに比べたら価格が高いことです。
でも、これはある意味当然のことで、安全で品質のいい食材は、それ相応の価値があります。



健康投資ですね!
とはいえ、料金が高すぎでも続かないと思いますので、それぞれのライフスタイルに合わせて考える必要があります。



安全でおいしい野菜が手に入る食材宅配が知りたい!
という人のために、おすすめの食材宅配サービスを自然食品店長の目線で厳選しました!
もっと詳しく知りたい人はこちらの記事をどうぞ↓


②「自然食品店」を利用する
自然食品店は、その名の通り「自然」なものを扱うのがモットーです。
もちろん会社によっても商品に差があると思いますが、一般スーパーで買うよりも品質の良い野菜が手に入りやすいです。
さすがに全国版はありませんが、東京にある自然食品店はこちらの記事にうまくまとまっていましたので、リンクを貼っておきます。
≫東京のオーガニックスーパー・自然食品店 16選
③「道の駅」を利用する
「道の駅」で野菜を買うこともおすすめです。
ただし、安全性や品質、これは店舗によって差があります。
「道の駅」の野菜が良いのは、収穫されてから出荷までの時間が短いこと。
一般スーパーよりも鮮度が良い野菜が手に入ります。
それと、農家さんが直接持ってくるので、その分価格が安めです。
近くにある人は利用すべきですね!
≫関東近郊の人気「道の駅」はどこ!?人気10駅の魅力&人気の秘密を徹底解剖!
まとめ


日本が「農薬大国」といわれる理由をもう1度まとめておきます。
- 農薬使用量は世界トップクラス
- 海外に比べて農薬の基準が緩い
- 海外では禁止されている農薬が使われ続けている
- 日本はオーガニック後進国
国産が安全と思っている人は未だに多いです。
今の農業事情をしっかりと認識して、その上で野菜・果物などを選ぶ必要があります。
日本にも逆境ともいえる中、安心安全な農業を実践している生産者がいます。
その人たちが育てた作物を買うことは、その農業を応援することであり、日本の農業を良い方向に変えてゆくことにも繋がります。


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