日本は農薬大国!? 農薬使用量は世界一!?【消費者が変われば、生産者、そして国も変わります】

農薬・添加物

 

「日本のものは素晴らしい」

「やっぱり国産が安全」

日本人は日本のものづくり、その姿勢に信頼をしています。

それは、野菜など毎日食べる食品に対しても同じで、「国産が安全」と信じて疑わない人は多いです。

 

しかし、日本の農薬使用量は世界一のレベルです。

海外では禁止されている農薬が、なぜか日本では使われ続けています。

 

この記事では、

  • 日本の農薬事情
  • 安全で美味しい国産野菜を買う方法

について、詳しく解説します。

 

この記事を書いている私は、元自然食品店の店長で、現在はWebライターとして活動、主に「食の安全」について情報を発信しています。

 

日本が抱える農業問題。

これは、消費者である私たちもしっかりと考えなければならない問題です。

 

日本は「農薬大国」使用量は世界一!

 

国産しか選ばない、食べないという人には驚きだと思いますが、現在の日本は紛れもない「農薬大国」です。

事実、そう言われる要因がはっきりとしています。

  1. 日本の農薬使用量は世界トップクラス
  2. 日本は海外に比べて、農薬の基準が甘い
  3. 海外では禁止されている農薬が日本では使われ続けている
  4. 日本はオーガニック後進国

では、一つずつ解説してゆきます。

 

①日本の農薬使用量は世界トップクラス

日本の農薬使用量は世界一

 

下のグラフは、農林水産省が作成した2009年時点での各国の「農薬使用量」です。

少し古いデータですが、この時点で、日本の農薬使用量はすでに世界で1,2位を争っています。

出典元:農林水産省「農薬をめぐる情勢)

 

また、上記グラフには、先進主要国の中国やアメリカが載っていませんでしたので、調べてみました。

世界各国の農薬使用量(2014年)
  • 中国 13㎏
  • 日本 11.8㎏
  • フランス 3.9㎏
  • アメリカ 2.5㎏
  • オーストラリア 2.3㎏

 

FAO(国連食糧農業機関)の統計によると、日本の農薬使用量は2014年時点では農地1haあたり11.8㎏に減りました。

しかし、諸外国と比べますと、その数値は依然世界トップクラスです。

 

実は、この数値に対しては、反対意見もあります。

それは、農薬の使用量は栽培する作物、また気候条件によって違うからです。

 

例えば、農薬を多く使っているイメージのアメリカですが、1haあたりの使用量は少ないですね。

これは、アメリカでは小麦、トウモロコシなどのあまり農薬を使わなくてもいい作物の栽培が多いからという見方もできます。

大きな国土を持っている国では、こういった作物を大規模でしているので、単位面積でみれば使用量は少なくなります。

それに対して、「日本ではキュウリやトマト、果物など、小さな農地で単一的に長く収穫していく栽培が多く、農薬の使用量が多くなるのは仕方ない」という意見です。

 

また、「日本は温暖で雨が多い気候ですので、病害虫が発生しやすい」という理由も挙げられています。

雨が降ると植物に付着した農薬が流れてしまい、もう一度散布しなければならないので、使用量が多くなるのです。

 

農薬の使用量は、色々な要素が絡んでいて、単純に比較することはできません。

 

しかし、です。

確かに、そういう理由はあると思いますが、日本と同じように国土が小さいドイツやイギリスの農薬使用量は非常に少ないのです。

また、日本以上に高温多湿でありながら、果物を多く栽培する台湾も農薬使用量が少ないです。

 

繰り返しますが、農薬の使用量は、色々な要素が絡んでいて、単純に比較することはできません。

ですが、それを踏まえても、日本の農薬使用量は多いと言えます。

 

②日本は海外に比べて、農薬の基準が甘い

 

前述した通り、日本の農薬使用量は海外と比較しても多いです。

アメリカは日本の5分の1。

ヨーロッパ諸国も少なく、イギリスは4分の1ドイツは3分の1しか使っていません。

スウェーデンに至っては、日本の20分の1となっています。

これは、ヨーロッパが政策で、農薬の使用量を減らしているからです。

 

つまり、農薬の使用量は政策によって決められている、ということです。

国が厳しい基準を設ければ、農薬の使用量は当然減ります。

国の基準をもとに、農薬の使用量、散布回数が農協などによって指導されるのです。

 

農薬使用量の多さは、農家さんの責任というよりかは、国の政策、その基準によるものが大きいとも言えます。

 

日本は、残留農薬の基準値がヨーロッパと比べると非常に高く、作物によっては100倍程度のものもあります。

残留農薬の基準値が高いということは、その分多く農薬を使えることになります。

農家さんからすれば、国の基準をもとに農協に指導されているのですから、しっかり農薬を使って栽培し、色、形を整えて、その企画にあわなければ、出荷させてもらえないこともあります。

 

③海外では禁止されている農薬が日本では使われ続けている

 

現在、「世界で最も使われている殺虫剤」と言われているのが、ネオニコチノイド系農薬です。

名前から分かるように、タバコに含まれるニコチンに似た成分がベースとなっています。

1990年代に発売されてから、お米や野菜など多くの作物に使われています。

 

近年、それを使用したことにより、私たち人間や動物に毒性があることが分かり、世界各国で規制強化の動きがあります。

また、その毒性は昆虫にまで影響があることが指摘され、ハチの大量死、赤トンボの激減を招いた要因、とも言われています。

 

特に、ハチへの影響は、多くの研究者が「無視できない問題」として、警鐘を鳴らしています。

 

相対性理論で有名な物理学者アインシュタインは、

「もしこの地球上からハチが消えたなら、人類は4年しか生きられない」

と語ったとも言われています。

 

ハチは花から花へ花粉を運び、農作物が育つのを自然と助けてくれています。

ハチは作物を育てるのに欠かせない生物で、もし、いなくなると経済的損失は全世界で20兆円に上るとも言われています。

 

これらのことから、ネオニコチノイド系農薬は、私たちの健康、また環境への影響が大きいとされ、海外では規制が強化されているのです。

実際に、EUでは現在使用が認められているネオニコチノイド系農薬5種類のうち、3種類の使用を禁止しています。

また、フランスでは、2018年9月に、5種類すべての使用を禁止する法案が可決されました。

 

それに反して、日本では、規制が強化されるどころか残留基準値が緩和されています。

また、国民の認知度も低く、未だこの問題を知らない人は多いです。

 

さらに、私たちが食べる食品の中から、毒性が強い除草剤グリホサートの成分が検出されていることも問題に上がっています。

人間の体からも成分が検出され、消費者の中では心配の声が強まっています。

農薬の危険性は嘘?本当?【なぜ、無農薬が危険だと言われるのか?】

2020年5月20日

 

理由④日本はオーガニック後進国

 

日本人の多くは、中国産の野菜を嫌います。

実際に中国は農薬の使用量が多い国ですが、実は、近年最もオーガニック農業が成長している国でもあります。

 

2019年にヨーロッパのオーガニック有機農業研究所FiBLが発表したレポートでは、中国のオーガニック農場面積は世界3位で、アジアではトップです。

出典元:FiBL「The World of Organic Agriculture 2019」

 

これは、中国の国土の広さも関係していると思いますが、農業面積に対しての比較を見てみますと、

中国は全農業面積の0.6%がオーガニック農業。

これに対して、日本はわずか0.2%です。

 

前述した通り、日本は気候が高温多湿に変化して、農地も狭く、同じ作物を繰り返し作る単一栽培が多く、農薬を多く必要とします。

しかし、農薬を使えば使うほど、害虫は耐性を持ち、農薬を使っても死なない虫が増えてきて、さらに農薬を増やさなければならない、という悪循環が起きてしまいます。

 

「奇跡のりんご」で有名な自然農法を提唱する木村秋則氏は、日本の農薬事情に警鐘を鳴らしています。

残留農薬のある野菜を食べ続けると体内に蓄積されていって、めまいや吐き気、皮膚のかぶれや発熱を引き起こすなど、人体に悪影響を及ぼすとされています。日本の食材は世界から見ると信頼度は非常に低く、下の下、問題外。

もう日本人だけなのです。日本の食材が安全だと思っているのは。

ヨーロッパの知り合いから聞いた話ですが、日本に渡航する際、このようなパンフレットを渡されたそうです。

「日本へ旅行する皆さんへ。日本は農薬の使用量が極めて多いので、旅行した際にはできるだけ野菜を食べないようにしてください。あなたの健康を害するおそれがあります」

出典元:現代ビジネス「日本人だけが知らない!日本の野菜は海外で汚染物扱いされている」

 

日本はまだまだ無農薬・オーガニック農業が進んでいません。

実際に行ってみると分かりますが、アメリカやヨーロッパでは、オーガニックに対しての国民の意識が非常に高いです。

残念ながら、日本はオーガニック後進国と言わざるをえません。

 

無農薬栽培、オーガニック栽培が普及されることは、私たち人間の健康を守るだけでなく、環境をも守ることになり、それは持続可能な社会へと繋がります。

その為には、まず、私たち一人ひとりの意識がそこに向く必要があると思います。

 

日本の農業は変われるのか?

 

日本の農薬使用量が世界の中でも多いこと、海外に比べて農薬の基準が甘いことなど、日本の農業事情が分かったら、もう国産が安全とは言えません。

もしかしたら、外国産の野菜・果物を積極的に買う人もいるかもしれません。

 

しかし、日本にも、逆境ともいえる中、安心安全な農業を実践している生産者がいます。

その方たちの作物を買うことは、その農業を応援することであり、日本の農業を良い方向に変えてゆくことにも繋がります。

 

消費者が変われば、生産者は変わる、社会も変わる

 

日本にも、こういった問題に正面から向き合い、安心安全な無農薬栽培、オーガニック栽培に取り組んでいる生産者は少なからずいます。

その方たちが作る野菜や果物を選んで買うことが、その農業を応援することになります。

 

買い物は、ある意味、投票みたいなものです。

 

消費者が、安全なオーガニック野菜を選べば、オーガニック農業は拡がってゆきます。

そして、環境が良くなり、社会全体が変わってゆきます。

 

現に、アメリカやヨーロッパでは、国民の農薬に対しての反対運動、オーガニックに対しての購買力が、農業事情に変化をもたらしています。

 

「身土不二」の教え

 

食養学には「身土不二」という考え方があります。

これは、「体と土地(環境)は切り離せない関係である」という意味です。

もっと分かりやすく言うと、「日本人は日本で採れるもの、代々受け継がれてきたものを食べることが体に良い」ということです。

 

この考えは、野菜だけに限らず、他の食物にも当てはまります。

その民族が代々受け継いできた食文化というものは、命を絶やさないために受け継がれてきた健康を守る食べものなのです。

当然、国や地域、民族によって違いはあります。

 

私たちの体は食べもので出来ています。

日本人は、日本の作物を食べるのが健康に良いのです。

野菜の選び方【健康効果を得るための4つのポイント】

2019年11月13日

 

安全で美味しい国産野菜を買う方法【3つのおすすめ】

 

安心安全な国産野菜を買うなら、次の3つをおすすめします。

  1. 自然食品店
  2. 道の駅
  3. 食材宅配

もちろん、どこで買ってもいいと思いますが、一般スーパーでは品質の良い野菜を選ぶのが正直、難しいです。

 

①「自然食品店」で買う

自然食品店は、その名の通り、「自然」なものを扱うのがモットーです。

もちろん、会社によっても意識の差があると思いますが、一般スーパーで買うよりも良い野菜が手に入ると思います。

 

さすがに全国版はありませんが、東京にある自然食品店は、こちらの記事にうまくまとまっていましたので、リンクを貼っておきます↓

東京のオーガニックスーパー・自然食品店 16選

 

②「道の駅」で買う

人気の「道の駅」で野菜を買うこともおすすめです。

ただし、安全性や品質、これも店舗によって差があるのは事実です。

収穫されて、出荷までの時間が短いことが、一般スーパーよりも鮮度が良い理由に挙げられます。

こちらも参考までにリンクを貼っておきます↓

関東近郊の人気「道の駅」はどこ!?人気10駅の魅力&人気の秘密を徹底解剖!

 

③「食材宅配」を利用する

すべての食材宅配会社がそうとは言えませんが、

食材宅配なら、良い野菜の条件をすべて満たすことが出来ます。

 

特に、忙しい方や、時間がない方は、食材宅配を試してみるといいと思います。

安心安全で新鮮な食材が家に届くのはすごく有難いです。

 

こちらの記事では、特に野菜にこだわっている食材宅配を紹介しています↓

【食材宅配という選択】私が「坂ノ途中」をおすすめする理由

2020年3月23日

 

まとめ

 

日本が農薬大国といわれる理由をもう1度まとめておきます。

  1. 日本の農薬使用量は世界トップクラス
  2. 日本は海外に比べて、農薬の基準が甘い
  3. 海外では禁止されている農薬が日本では使われ続けている
  4. 日本はオーガニック後進国

 

国産が安全と思っている人は未だに多いです。

今の農業事情をしっかりと認識して、その上で野菜・果物などを選ぶようにしましょう。

 

日本にも、逆境ともいえる中、安心安全な農業を実践している生産者がいます。

その方たちの作物を買うことは、その農業を応援することであり、日本の農業を良い方向に変えてゆくことにも繋がります。