緑茶の栄養と6つの効能【ペットボトルのお茶は体に悪い?】


緑茶って体にいいんだよね、、、?



ペットボトルのお茶でも効果あるのかな?
こんな疑問に答えます。
- 緑茶に含まれる栄養と期待される効能
- 緑茶のデメリット
- ペットボトルの緑茶では同じような健康効果が得られない理由
日本で昔から親しまれている飲み物といえば「緑茶」ですよね。
現代でも多くの人に飲まれていて、健康のイメージが強い緑茶ですが、コンビニや自販機で手軽に買えるペットボトルの緑茶では残念ながら同様の効果は得られません。



「飲んじゃいけない」というわけではないですよ。
ただし、この記事で紹介するような緑茶の健康効果を得るには、やはり急須で入れた緑茶の方がおすすめです。
この記事では緑茶に含まれる栄養と期待される効能について詳しく解説します。
記事を読み終えたら、改めて急須で入れた緑茶が飲みたくなるはずですよ。
筆者プロフィール


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ジャンクフード中毒から自然食品店長に。
20代で体調を大きく崩し、食養を学んで病弱体質を改善。自然食の仕事10年以上の経験と体験をもとに「安全な食品の選び方」と「体にいい自然食」について発信中!
緑茶について



「そもそも緑茶についてよく知らない」という人もいると思いますので、はじめに緑茶について解説します。
緑茶とはその名の通り「緑色のお茶」という意味ですが、厳密に言うと発酵していないお茶のことをいいます。
中国の烏龍茶、イギリスの紅茶などは世界中で愛されているお茶の一種ですが、これらは発酵しているお茶です。


お茶の葉は摘み採った瞬間から、少しずつ酸化が進んでいきます。
緑茶の場合は、「殺青」(さっせい)と呼ばれる工程で生の茶葉を加熱することにより、茶葉が酸化するのを止めます。
ほぼ酸化していない茶葉を加工するので、茶葉本来の色に近い緑色のお茶になるというわけです。
また、緑茶のことをよく「日本茶」ともいいますが、お茶の文化は中国から伝来してきました。
緑茶にはいくつかの種類があり、「煎茶」「ほうじ茶」「玉露」「抹茶」など、その他にも沢山の種類があります。
日本で作られるお茶のほとんどが緑茶で、茶葉を蒸して乾燥させる作り方が一般的です。
茶葉の違いもありますが、中国では茶葉を蒸さずに乾煎りして作る方法が一般的です。
緑茶の栄養


以下は緑茶(煎茶・可食部100gあたり)の栄養成分です。
エネルギー | 2kcal |
タンパク質 | 0.2g |
カリウム | 27mg |
カルシウム | 3mg |
マンガン | 0.31mg |
ビタミンB2 | 0.05mg |
ビタミンⅭ | 6mg |
葉酸 | 16ug |
マグネシウム | 2mg |
ナトリウム | 3mg |
緑茶にはビタミンC、カリウム、葉酸、マグネシウムなどの栄養が含まれ、他にも「カテキン」や「テアニン」、「カフェイン」といったお茶ならではの栄養素を含んでいます。
緑茶に含まれる栄養素によって期待される効能はとても多いです。
特に風邪の予防、食中毒の予防に有効であることが広く知られています。
緑茶は1年を通して飲まれるものですが、風邪が流行る寒い冬や、食中毒が増える梅雨や夏場におすすめの飲み物ともいえます。
緑茶に期待される6つの効能


緑茶に含まれる栄養成分によって期待される効能は多くありますが、ここでは代表的な6つの効能を紹介します。
- 風邪の予防
- 食中毒の防止
- ダイエット効果
- 認知症の予防
- 美肌効果
- デトックス効果
①風邪の予防
緑茶に含まれる「カテキン」は、抗菌・抗ウイルス作用を持つことで知られ、これまでにもさまざまな研究がされています。
お茶をはじめとする清涼飲料メーカーの伊藤園が静岡県立大学薬学部との共同研究で、緑茶に含まれるカテキンやテアニンがインフルエンザ感染のリスクを低減させることを報告しています。
伊藤園は、静岡県立大学薬学部の山田浩教授と共同で、新型インフルエンザが猛威をふるった2009年11月から2010年4月にかけて、医療施設の職員197名を対象としたインフルエンザ感染に関する試験を実施しました。対象を2つのグループに分けて、片方には緑茶の成分(カテキンとテアニン)のカプセルを、他方には緑茶の成分を含まないカプセル(プラセボ)を、5ヶ月間摂取していただきました。 結果は、カテキン・テアニン群では、97名中4名がインフルエンザに感染したのに対し(発症率4.1%)、プラセボ群では、99名中13名が感染し(発症率13.1%)、有意にインフルエンザの感染が抑制されました。カテキン・テアニン群では、投与を開始してから約70日目以降、新たな感染者が発生しなかったのに対し、プラセボ群では試験終了まで感染者が増加しました4) 。
以上の結果より、緑茶(緑茶成分)を摂取することにより、インフルエンザに感染するリスクが下がる可能性が示されました。
出典:伊藤園「緑茶成分によるインフルエンザ予防~新型インフルエンザの感染も抑制~」
昔から、風邪やインフルエンザの予防として「緑茶でうがいをする」方法は知られていますが、緑茶を毎日飲むことでも風邪の予防に効果的とのことですね。
②食中毒の防止
緑茶の「カテキン」は強い殺菌作用があり、食中毒の防止にも効果があります。
具体的には、ボツリヌス菌、コレラ菌、病原性大腸菌O‐157などの細菌を殺菌する効果が認められています。
食事と一緒に緑茶を飲むこと、また、調理前のまな板を緑茶で洗うのも効果的です。
③ダイエット効果
緑茶に含まれる「カテキン」にはいくつかの種類があり、そのうち「ガレート型カテキン」は肝臓の働きを活発にして脂肪の代謝を促進してくれます。
代謝が上がる事によりエネルギーの消費も増え、さらに体脂肪を燃やしてくれることからダイエット効果が期待されます。
④認知症の予防
緑茶には「テアニン」というアミノ酸が豊富に含まれています。
静岡県立大学茶学総合研究センターの研究では、テアニンがストレスを軽減して、認知機能の低下を抑えることが報告されています。
また、最近の研究では、テアニンには脳の萎縮を防ぐ効果があることも分かってきました。
(参考:https://www.mdpi.com/2072-6643/12/1/174/htm)
認知症は老化による脳の萎縮や、ストレスによって引き起こされると考えられています。
テアニンには心を落ち着かせ、イライラを軽減してくれる働きもありますので、緑茶を飲むことで認知症の予防や症状の軽減が期待できます。
⑤美肌効果
緑茶は「ビタミンC」が豊富なことも特筆すべき点です。
その含有量はなんとレモンの3倍。
ビタミンCはコラーゲンの材料となるので、健康的な肌を作るには欠かす事が出来ません。
その他に「ビタミンB2」も含まれています。
皮膚は日光や摩擦などのストレスに日々さらされていますが、ビタミンB2が皮膚の再生を促して、綺麗な肌に作り変えてくれます。
⑥デトックス効果
緑茶には「カフェイン」が含まれており、おいしさの秘密である苦味もカフェインによって作られています。
カフェインは脳の中枢神経に働きかけて、疲労を軽減させて体を動きやすくしてくれたり、眠気を覚ましてくれます。
さらに、カフェインは腎臓に対して水分の吸収を抑える働きもあるので、吸収されなかった水分を老廃物として体外に出すデトックス効果があります。
緑茶のデメリット


緑茶のデメリットとしていわれるのが、「カフェインなどの過剰摂取」と「農薬の問題」です。



「過ぎたるは猶及ばざるが如し」
なんでも摂り過ぎはいけませんね。
デメリット①カフェインなどの過剰摂取
緑茶を飲み過ぎると、カフェイン、タンニン、シュウ酸などの過剰摂取となり、体調を崩す要因にもなります。
以下、摂り過ぎることで起きる可能性がある弊害です↓
- カフェインの摂り過ぎ→神経過敏、睡眠障害、嘔吐、胃腸の乱れ
- タンニンの摂り過ぎ→便秘、鉄分の吸収を妨げる
- シュウ酸の摂り過ぎ→尿路結石、腎機能低下
ただ、これらは極端に摂り過ぎなければ問題ありません。
その人の体質によって「適量」は違ってきますが、例えばWHO(世界保健機構)が推奨する1日のカフェインの摂取上限は300㎎です。
湯呑1杯の緑茶には約20㎎含まれていますので、1日10杯までならよいということになります。
ただし、緑茶以外にもカフェインの摂取源はありますので5~6杯に抑えておくのがいいかもしれませんね。
デメリット②農薬の問題
緑茶はじめお茶の栽培には「農薬」はつきものです。
お茶を農薬なしで作るというのは本当に難しいとされています。
現在は農薬の規制も厳しくなり、一昔前と違って残留しにくい農薬を使用している農家もあります。
散布時期も守っていれば、体に影響が出ることも考えにくいです。
とはいえ、大量の農薬使用が私たちの身体の害になる可能性も否定できません。
農薬の問題についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、参考にしてください↓


そんな中、農薬を使用せずに緑茶を栽培している農家さんもあります!
安全な緑茶を求めている人は、無農薬・有機栽培の緑茶を選ぶようにしましょう。
ペットボトルの緑茶では健康効果が得られない理由





緑茶の健康効果は分かったけど、ペットボトルのお茶でもいいの?
これは多くの人が気になるところかと思いますが、残念ながらペットボトルの緑茶では同じような健康効果は得られません。
なぜなら、急須で入れた緑茶とペットボトルの緑茶では、その内容が全く違うからです。
具体的には以下の3つの理由で(他にもあるかもしれませんが)、急須で淹れる本来の緑茶とは効能が違ってくる可能性があります。
- 栄養が少ない
- 茶葉の品質が劣る
- 酸化防止剤を使っている
理由①栄養が少ない
2001年に発表された静岡県環境衛生科学研究所による研究では、「急須で淹れた緑茶」は「ペットボトルの緑茶」に比べてうま味成分のアミノ酸量が5倍以上もありました。
(参考:東京都茶共同組合「旨み・甘みのアミノ酸は、急須で淹れた緑茶が5倍」)
また、京都府消費生活科学センターによる研究では、急須で淹れた緑茶の方がポリフェノールは1.4倍、カテキンは2.5倍多いことが分かっています。
言い換えると、ペットボトルの緑茶は急須で淹れた緑茶に比べて栄養が少ない、ということです。
理由②茶葉の品質が劣る
大量生産されるペットボトル緑茶の原料は、一般に安価なものが使われる傾向があります。
基本的に、ペットボトルの緑茶では最も品質が良い「一番茶」を使うことはありません。
そもそも茶葉ではなく、茎を使っているのがほとんどともいわれていますね。
中には製造コストの影響で茶葉を限りなく少なくして、化学調味料でうま味を出しているものもあります。
製品によっては外国(主に中国)から輸入した茶葉を利用しているため、農薬や不純物などの混入も心配です。
理由③酸化防止剤を使っている



緑茶に添加物なんか必要ないでしょ?
そう思っている人もいるかもしれませんが、ペットボトルの緑茶には必ずといっていいほど「ビタミンC」が添加されています。
急須で淹れる緑茶と違い、ペットボトルの緑茶は抽出してから長期間その品質や色を保つ必要があります。
そこで酸化防止剤としてビタミンC(L-アスコルビン酸)が使われています。
ちなみに、ペットボトル茶を多く製造しているサントリーのお客様相談室では、次のように回答しています↓


本来、緑茶には豊富なビタミンCが含まれているのですが、製造過程でその量がいくらか失われているという点も見逃せません。
また、添加されているビタミンCは合成です。
科学的には天然ビタミンCも合成ビタミンCも構造は同じで、同じ効果が期待でき、副作用などの問題はないとされています。
しかし、食品ジャーナリストの郡司和夫氏は合成ビタミンCの危険性を次のように指摘しています↓
金沢工業大学研究グループの調査によると、市販されている主な緑茶飲料500ミリリットル当たりのビタミンC含有量は平均で100ミリグラムである。
引用元:ビジネスジャーナル「ペットボトル茶は危険!発がん性の合成ビタミン大量含有、粗悪な中国製添加物も」
厚生労働省が定めているビタミンCの摂取推奨量は1日100ミリグラム。ペットボトル緑茶1本飲めば、この量に到達する。しかも、合成ビタミンCである。
合成ビタミンCと自然の食品に含まれるビタミンCは、まったく異質のものであると理解しておいたほうが健康のためである。たとえば、がん細胞をつくる原因になる活性酸素を、ミカンなどに含まれる天然のビタミンCはほとんど発生させないが、人工的に作られた合成ビタミンC(L-アスコルビン酸)は大量に発生させる。天然のビタミンCには活性酸素の発生を抑える酵素が含まれているからだ。酵素は分子構造式(いわゆる亀の甲)には現れない。いくら合成ビタミンCが天然のビタミンCと化学式が同じでも、安全性が同じとはいえないのである。
▼郡司和夫氏の代表的な著書
郡司氏が語るペットボトル緑茶に添加される合成ビタミンCの危険性とは、「量を摂り過ぎてしまう」ことと「活性酸素を大量に発生させてしまう」という点です。
この記事でビタミンCは天然がいいか合成がいいかの議論をするつもりはありませんが、そういう指摘がされていることを考えてみても、やはり急須で淹れる緑茶と同じような効能は得られにくいといえます。
まとめ|緑茶の効能を得たいなら急須で淹れましょう


日本で古くから親しまれている緑茶は、間違いなく健康的な飲み物です。
その効能をもう1度みておきましょう。
- 風邪の予防
- 食中毒の防止
- ダイエット効果
- 認知症の予防
- 美肌効果
- デトックス効果
しかし、急須で淹れて飲む本来の緑茶と、手軽に飲むことができるペットボトルの緑茶では、その内容は全く違います。
「ペットボトルの緑茶を飲むな」と言っているわけではありませんが、健康を考えるなら急須で淹れた緑茶をおすすめします。


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