- なぜ「野菜1日350g」なのか
- 健康を目指すための正しい野菜の摂り方

「健康の為に野菜を食べましょう」と言われます。
では、どのくらい食べれば良いのか、と聞くと、「1日350g摂りましょう」と答えが返ってきます。
栄養士などの食事指導の場面で示されるこの数値目標は、厚生労働省が定めたものです。
しかし「350g」と言われても、どのくらいの量なのか、具体的に分かっている人は少ないです。
また、この言葉を聞いて、「毎日350g!?そんなの無理です!」と敬遠する人も中にはいるでしょう。
ですが、ご安心ください。
この「野菜1日350g」はノルマではありません。
「これだけ摂らないと健康になれない」というものでもないのです。
健康の為なら、今より少し多く野菜を摂ればいいのです。
そして、食事の質を上げること。
そもそも、この「野菜1日350g」で本当に健康になれるのでしょうか?
その根拠は?
詳しく解説します。

Contents
「野菜1日350g」の根拠は?

よく聞く「野菜1日350g」という目標は、厚生労働省が『健康日本21』で健康の為に摂るべき1日の野菜の量として示された数値です。
この数字の根拠は、1990年代に行われた国民健康栄養調査によるものです。
調査によって、私たち日本人は平均して1日約280gの野菜を摂っていることが分かりました。
生活習慣病が増え続ける現代において、毎日の食事を見直すことはとても大切なことです。
特に、野菜にはビタミン、ミネラル、食物繊維などが多く含まれ、健康の為には必要不可欠な食べものです。
もちろん、野菜以外からも栄養摂取はできますが、野菜から摂れる栄養素が生活習慣病の予防・改善に欠かせないものとして、どれくらい必要なのかを分析しました。
その結果、「350g以上必要である」という結論に至ったと言われています。
野菜350gの具体的な量

では、実際に野菜350gはどのくらいの量なのかを見てみましょう。
以下は、各野菜の約350gの量です。
- ほうれん草 約1束
- 小松菜 約1束
- キャベツ 約1/2個
- 大根 約1/3本
- 人参 約2本
- きゅうり 約3本
- トマト 約3個
※サイズによって違います
この量を多いと思うか、少ないと思うのかは当然、人によって違います。
また、すべて「生」で食べなければならないという決まりはありませんので、ほうれん草なら「お浸し」にしたり、大根なら「煮物」にしたり、調理法によって実際に食べる量が減ることになります。
ちなみに、1日350gということは、1日3食で分けますと、1回の量は約120gとなります。
きゅうり1本。
トマトなら1個です。
こうして考えますと、そんなに多い量には思えませんが、仕事や家事が忙しかったりするとコンビニのおにぎりやサンドイッチだけで食事を済ましたりしている人も多いのが実情です。

しかし、感じ方は人によりますが、いずれにしても、単純に重さだけで考えると、決してできない数値ではありません。
「野菜350gで健康になる」に科学的根拠はない!?

さて、この「野菜1日350g」に対して、実は批判的な意見もあります。
環境問題や資源に関しての研究で著名な中部大学の武田邦彦教授は、野菜1日350gという目標値に対して、「科学的な根拠はない」と批判しています。
厚労省が「野菜1日350グラム」と言い出したので、そのまま「野菜を取らなければならない」と思っていましたが、フトしたことでその根拠を調べてみたら、「日本人がおおよそ1日280グラムを食べていること、野菜は多めに摂る必要がある」というたった2つの根拠で350グラムとしたことがわかりました。
出典元:MAG2NEWS
また、様々なメディアを通して食生活の在り方を提言する、食生活ジャーナリストの佐藤達夫氏も、「この数値目標に対しての確かな根拠はない」と述べています。
たとえば、一日に「野菜350グラム以上食べるグループ」と「350グラム未満のグループ」を作り、長期間その食生活を続けてもらう。そして5年後あるいは10年後に「350グラム以上食べていたグループ」の人が健康で、「350グラム未満」の人が不健康になった、という実験があれば、「野菜を一日350グラム以上食べれば健康になれる」といえることになる。しかし、そういう実験は、日本には(世界にも)1つもない。なので「野菜350グラムを食べれば健康になれる」という根拠はない。
出典元:WEDGE Infinity
野菜はもちろん健康に良い食べ物ですが、この目標値を達成したとしても、絶対に健康になれるという科学的根拠はないことが指摘されているのです。
野菜の量だけを考えるのではなく、食事の質を上げることが大事

そもそもこの数値目標は『健康日本21』で示されたものです。
その目的は、健康寿命を延ばすこと。
つまり、生活習慣病を減らすことでもあります。
生活習慣病の原因は、その名の通り、生活習慣です。
生活習慣で大きな割合を占めるのが「食事」「睡眠」「運動」の3つ。
当たり前のことですが、この3つを改善することが、生活習慣病の予防、改善に繋がります。
「野菜1日350g」は、食事をより良くすることを考えた目標値です。
しかし、ただ闇雲に量を増やしても、その内容が良くなければ、健康にはなれません。
単純に野菜の量を増やすことよりも、食事の質を上げることの方が大切なのです。
例えば、野菜を1日350g摂る為に、毎日スーパーやコンビニで販売されている出来合いのサラダを食べるとします。
しかし、そこには複数の食品添加物が使われ、野菜の栄養だけでなく、体に害のあるものも一緒に多く摂ってしまいます。
また、栄養価だけで計算していると、野菜そのものではなく、野菜ジュースだけで摂ろうとする人もいるでしょう。
野菜ジュースもピンキリです。
ほとんどの野菜ジュースには、白砂糖や食品添加物が多く使われています。
すべての食品がそうとは言いませんが、単純に量だけで選んでいると、かえって体に悪いものを入れてしまう可能性があるのです。
繰り返しになりますが、野菜を多く摂ることは体に良いことです。
しかし、それ以上に考えなければならないのが「食事の質」です。
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真に健康を目指すための「野菜1日350g」を摂る方法は?

健康寿命を伸ばす為に野菜を摂るのであれば、今より品質の良い野菜を、今より少し多く摂ることから始めるのが良いでしょう。
- 具沢山のお味噌汁を飲む
- 品質の良い野菜ジュースで補う
- 野菜の質にこだわる
①具沢山のお味噌汁を飲む

人によって、野菜350gという量はとても多く感じるかもしれませんが、実は毎食、具沢山のお味噌汁を飲むようにするだけでも達成できます。
戦後、食の欧米化が進んでいる日本ですが、近年、お味噌汁の健康効果が改めて注目されています。
②品質の良い野菜ジュースで補う

野菜ジュースだけで1日350g摂るというのはおすすめしませんが、少し不足している分を野菜ジュースで補うのは良い方法です。
ただし、市販されている野菜ジュースのほとんどが、白砂糖や食品添加物が使われています。
これではかえって体に良くないものを入れてしまうことになりますので、原材料などを見極めて、品質の良いものを選びましょう。
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また、1番のオススメは、自分でジュースやスムージーを作ることです。
今は、野菜の栄養を壊さない低速回転のジューサーがあります。
こだわりのジューサーがあれば、毎日、品質の良い野菜ジュースを飲むことが出来ます。
健康のために、「朝食は野菜350g分のスムージーを飲む」という人も多いですね。
③野菜の質にこだわる【食材宅配がオススメ】

食事の質、野菜の品質にこだわることは、実は「1日350g摂る」ことよりもずっと大切なことです。
安心安全で、しっかりとした環境で育てられた野菜は美味しく、そして栄養が豊富に含まれています。
そんな野菜を手に入れるなら食材宅配がおすすめです。
すべての会社がそうとは言えませんが、食材宅配の多くは、その品質にこだわっています。
- 仕事や子育てで忙しく、時間がないという人
- 安心安全な品質の良い食材を求めている人
- 近くにお店がないという人
※無農薬の美味しい野菜を買う方法があります。
野菜宅配「坂ノ途中」は、化学合成農薬・化学肥料不使用で、環境負荷の小さい農法で元気に育った野菜を届けてくれます。数ある食材宅配サービスの中、野菜は格別の美味しさです。安全で美味しい野菜を求めている人は、1度試してみるとよいと思います。
まとめ

今回の記事は、厚生労働省より出された「野菜1日350g」という目標に対して、「毎日食べるのなんて無理!」という人に読んでいただきたく、書きました。
- 「野菜1日350g」に科学的根拠はない!
- 栄養成分だけで考えてはいけない!
- 野菜の量よりも、食事の質が大切!
- まずは今より良い野菜を、今より少し多く摂るようにしましょう!
また、実際に350g摂ることは、決して難しいことではない、ということも改めてお伝えしておきます。
- 具沢山のお味噌汁を飲む
- 野菜が足りてないと感じた時は、野菜ジュースを飲む
など、工夫してみましょう。
