
食品の保存に使う食品用ラップは、どこの家庭でもなくてはならない存在ですよね。
まさに、生活の必需品。
そんなラップについて、先日こんな質問をいただきました。

ラップにも種類があると聞きました。
サランラップとクレラップ、どっちが安全なのですか?
今回は、この質問にお答えします。
実は、同じように見えてラップには違いがあります。
「食の安全」を考えるなら・・・
という視点で私の意見もお伝えしますね。
サランラップとクレラップの違いって?


食品用ラップで有名な「サランラップ」と「クレラップ」。
この2つの商品の違いですが、、、



メーカーの違いだけで、製品に大きな違いはありません!
どちらもポリ塩化ビニリデン製で、非常に機能性の高いラップです。
「サランラップ」「クレラップ」の材質はポリ塩化ビニリデン
ポリ塩化ビニリデンは、
- 耐熱性が高い
- 酸素を通しにくい
- ニオイを通しにくい
- 水分を通しにくい
- 器にピタッと密着する
と、食品の保存に非常に適した材質です。
つまり、サランラップとクレラップは、厚みやそのサイズに少し違いはありますが、同じ材質ですので、ラップ自体にそこまでの差はないということです。
「サランラップ」より「クレラップ」の方が使いやすい!?
あくまで個人的な意見ですが、どちらかというと、クレラップの方が使いやすいように様々な工夫がされています。
まず、「クレハカット」というV字の形の刃になっていて、力の弱い高齢者や子供でも簡単にラップが切れるように工夫されています。
あと、ラップの切れ目が分かりやすいように、ストッパーニスの塗り方も工夫されていますね。
さらに、ラップロールが箱から飛び出てしまうのを防ぐために、「飛び出しガード」という機能があったり、蓋がきちんと閉まるようにロックが掛けられるようにもなっています。
では、クレラップの方がおすすめなのか?
そうとは言い切れません。
繰り返しますが、ラップ自体の機能性はどちらも優れていて、そこに大きな差はありません。
パッケージなど好みもあると思いますので、使いやすい方を選ぶのが良いと思います。
ただし、今回いただいたご質問は、
「食の安全を考えるなら」
ですので、その他のラップの種類・性質についても解説していきますね。
その上で、どのラップを選ぶべきか、考えてみましょう。
食の安全を考える人におすすめのラップとは?


食品用ラップには、大きく分けて3つの種類があります。
- ポリ塩化ビニリデン製
- 塩化ビニル製
- ポリエチレン製
それでは、一つずつ説明していきます。
①ポリ塩化ビニリデン製
サランラップ、クレラップはこの種類に当たります。
先述した通り、
- 耐熱性が高い
- 酸素を通しにくい
- ニオイを通しにくい
- 水分を通しにくい
- 器にピタッと密着する
と、非常に機能性の高いラップです。
しかし、柔軟剤(脂肪酸誘導体)と安定剤(エポキシ化植物油)が添加物として使われています。
このため、ラップを燃やすとダイオキシンなどの有害ガスが発生してしまうので、注意が必要です。
ちなみに、サランラップもクレラップも、耐熱温度は「-60℃~140℃」です。
140℃を超えるとラップが溶けてしまいますので、オーブンや電子レンジのオーブン機能で使用しないようにしましょう。
詳しくはこちらを参考にしてください↓
②塩化ビニル製
塩化ビニル製のラップは、家庭ではあまり目にすることはありません。
どちらかというと、飲食店など業務用として使用されることが多いラップです。
ポリ塩化ビニリデン製に比べて、酸素やニオイ、水分を通してしまう構造ですが、伸縮性と耐久性の高さが特徴で、それが飲食店などで重宝されている理由です。
汁がこぼれにくいので、ラーメンの出前などでよく使われています。
③ポリエチレン製
食の安全を考えるなら、ポリエチレン製をおすすめします。
ポリエチレン製は、他の種類に比べると、保存性、耐久性が劣りますが、環境に優しい製品です。
添加物が使われていない為、燃やしても水と二酸化炭素しか発生しません。



しかも安いです!
有名なのは「ポリラップ」です。
耐熱温度は「-70℃~110℃」。
サランラップ、クレラップに比べますと、熱さには弱いですが、冷たさに強いです。
欠点として、容器にくっつく力が弱いので、サランラップ、クレラップに慣れている方は違和感があるかもしれません。
3種類の比較
ざっくりですが、こんな感じです↓
使いやすさ | 安全性 | 値段 | |
---|---|---|---|
ポリ塩化ビニリデン | |||
塩化ビニル | |||
ポリエチレン |
まとめ


サランラップとクレラップには、使い勝手こそ差があるように感じますが、性質上は大きな違いはありません。
食の安全を考えるなら、ポリエチレン製のラップを選びましょう。



材質で使い分けるのもおすすめです。
ポリ塩化ビニリデン製は、機能面で考えると、最も保存に適していると思います。
ニオイの強い食品、鮮度を維持するのが難しい食品はポリ塩化ビニリデン製を使い、それ以外はポリエチレン製を使うというのがおすすめです。