私たちの身近な飲み物である牛乳には、いくつかの種類があります。
子供の成長のため、自分の健康のため、どんな牛乳が良いのか考えている人もいるでしょう。
そして、飲むならやっぱりおいしい牛乳が良いですよね!
この記事では、
- 牛乳を選ぶときに1番おすすめの種類
- 安全でおいしい牛乳を選ぶポイント
について、詳しく解説します。
牛乳の種類
牛乳の種類は、商品の成分表示欄にある「種類別」という項目で確認することができます。
全部で6種類あります。
- 牛乳(成分無調整)
- 成分調整牛乳
- 低脂肪牛乳
- 無脂肪牛乳
- 加工乳
- 乳飲料
では、この6種類を一覧にして、より詳しく見てみましょう。
乳脂肪分 | 概要 | |
---|---|---|
①牛乳 | 3.0%以上 | 生乳を殺菌して、そのまま詰めたもの |
②成分調整牛乳 | ー | 生乳から乳成分の一部(脂肪、ミネラルなど)を取り除き、成分を調整したもの |
③低脂肪牛乳 | 0.5~1.5% | 生乳から脂肪分を取り除き、低脂肪にしたもの |
④無脂肪牛乳 | 0.5%未満 | 生乳から脂肪分を取り除き、無脂肪にしたもの |
⑤加工乳 | ー | 生乳にバターやクリームなど乳製品を加えて、濃厚タイプや低脂肪タイプにしたもの |
⑥乳飲料 | 乳固形分3.0%以上 | 生乳や乳製品を主原料に、ビタミンやカルシウム、果汁、コーヒーなど乳製品以外のものを加えたもの |
※「生乳」とは、牛から搾ったままの乳のこと
※「乳飲料」以外は、無脂乳固形分が8.0%以上含まれています
これらの内容は、すべて食品衛生法に基づく「乳等省令(乳及び乳製品の成分規格等に関する省令)」という法律で決められています。
例えば、「①牛乳」は成分無調整のまま生乳を殺菌してパック詰めしたもので、水などを加えることは一切禁じられています。
また、商品に「生乳100%」と表示できるのは、「①牛乳」~「④無脂肪牛乳」までの4種類だけです。
さて、この中でおすすめはどれかと言いますと、やはり「①牛乳」です。
それ以外の種類も決して悪いわけではありませんが、品質の良い牛乳を選ぶのであれば、やはり加工されていない本来の状態が最も良いといえます。
しかし、その「①牛乳」の中でも、当然、良し悪しがあります。
次章で「安全でおいしい牛乳を選ぶポイント」について、解説してゆきます。
おいしくて体にいい牛乳を選ぶ5つのポイント
現在、日本には約134万頭の乳牛が飼われています。
そして、年間約730万トンもの牛乳が搾られています。
そのために、乳牛は常に品種改良が繰り返され、一部では過酷な飼育を強いられているともいわれています。
実は「おいしくて体にいい牛乳」を選ぶことは、牛の健康を考えて飼育をしているところのものを選ぶことにもなるので、それは回り回って牛の苦しみを減らすことになるんです。
良い牛乳を選ぶことは牛にとってもいいことなんです!
では、実際にどんな牛乳を選べばいいのでしょうか?
安全でおいしい牛乳を選ぶための5つのポイントをお伝えします。
安全でおいしい牛乳を選ぶポイント
- 放牧飼育
- ジャージー牛乳
- ノンホモジナイズ
- 低温殺菌
- 有機JAS認定
ただし、これらのポイントをすべて満たしている牛乳はほとんどありません。
でも、この5つの中のいくつかに該当する牛乳であれば、それなりに安全性の高い牛乳と言えます。
①放牧飼育
豊かな自然の中でのびのびと放牧されている牛は、狭い牛舎で鎖に繋がれて飼育されている牛と違い、十分な運動ができて、ストレスがたまらないので、とても健康的です。
牛の健康を考え、本来の牛の生活に合わせた放牧飼育は、飼料も本来食べない穀物などを与えず、栄養豊富な自然の牧草を与えます。
牧場は高原地域にあることが多く、害虫の心配もなく、消毒などで薬を使う必要もありません。
牛にとって嬉しい環境が、本来のおいしい安全な牛乳をつくります。
②ジャージー牛乳
ジャージー牛乳とは、イギリスジャージー代官管轄区チャンネル諸島ジャージー島原産のジャージー種という茶色の乳牛から搾られる牛乳のことをいいます。
日本国内で飼育されている乳牛の98%は白黒のまだら模様をしている「ホルスタイン種」で、「ジャージー種」は全体の1%にも満たない希少な牛です。
ジャージー牛乳は脂肪分が4.5~5.5%とかなり濃厚です。
また、カロチン・乳糖・灰分など栄養も多く含まれており、品質の高い牛乳です。
③ノンホモジナイズ
牧場で搾った牛乳をそのまま置いておくと、上部にクリーム層ができます。
実はこれは自然な現象で、脂肪分が分離して、膜を張っている状態なのです。
この状態を起こさないために、牛乳に一度大きな圧力をかけて、脂肪の分子を分解し、成分を均質化することをホモジナイズといいます。
現在市販されている牛乳の多くがそれに当たり、「ホモ牛乳」とも呼ばれています。
なぜホモジナイズするかというと、牛乳の品質や味が安定し、バターやチーズなどの乳製品を作りやすくなるからです。
反対に、均質化していない自然のままの牛乳を「ノンホモジナイズ牛乳」と呼びます。
ノンホモジナイズ牛乳は品質にむらがあったり、味も落ちやすいと言われますが、自然本来の牛乳を味わうことができます。
自然のものと、手を加えたもの、そこには数字には表れない生命力の差があります。
実際に、ノンホモジナイズの方が旨味を強く感じ、とてもおいしいです。
また、ノンホモジナイズの場合は、乳糖が脂肪球にくるまれているので、乳糖不耐症の人でもお腹がゆるくなりにくいです。
乳糖不耐症(にゅうとうふたいしょう、英: Lactose intolerance)とは、乳糖(ラクトース)を体内で適切に消化(分解)できない結果、消化器に生じる諸症状。多くの場合、消化不良や下痢などの症状を呈する。ヒトを含むほとんどの哺乳動物は、離乳するとラクターゼの活性が低下する。
引用元:Wikipedia
④低温殺菌
牛乳は生き物である乳牛から搾られるものであるため、雑菌が繁殖しやすいです。
そのため、衛生上、殺菌をする必要があります。
牛乳の殺菌は、一般的に「超高温殺菌」という120~130℃で2~3秒加熱する方法を用います。
短時間で殺菌できるため、大量生産に適した殺菌方法と言われていますが、高温で加熱すると品質が変性してしまうことも分かっています。
そこで、その品質を保つために用いられているのが、「低温長時間殺菌」です。
具体的には、63~65℃の低温で30分加熱する方法です。
低温殺菌は時間がかかるので大量生産には不向きですが、牛乳本来の風味や栄養を損なわない殺菌方法です。
⑤有機JAS認定
非常に珍しいですが、牛乳でも「有機JAS」の認定を受けている製品があります。
「有機JAS」の認定を受けていることで、品質・安全性が高く評価されます。
野菜や食品では多くみられますが、牛乳では珍しく、非常に希少価値の高い牛乳だといえます。
こんな牛乳がおすすめ!
それでは、「5つのポイント」を踏まえた上で、おすすめの牛乳を紹介します!
▼木次乳業「ノンホモ牛乳」
(放牧飼育・ノンホモジナイズ・低温殺菌)
▼タカハシ乳業「手づくり牧草の牛乳」
(放牧飼育・低温殺菌・有機JAS認定)
▼蒜山ジャージー「蒜山ジャージー牛乳」
(放牧飼育・ジャージー牛乳・ノンホモジナイズ・低温殺菌)
まとめ
牛乳の「種類」と「安全でおいしい牛乳の選び方」について解説しましたが、
そもそも、牛乳を健康のために毎日大量に飲むということはおすすめしません。
自然食品の仕事をしている私としては、牛乳は品質の良いものを少量、嗜好品程度に飲むのが良いと思います。
その理由については、こちらの記事で詳しく解説しています↓
おすすめは「種類別:牛乳」とされているもので、以下の5つのポイントになるべく多く当てはまるものを選びましょう!
- 放牧飼育
- ジャージー牛乳
- ノンホモジナイズ
- 低温殺菌
- 有機JAS認定