玄米とは?白米との違い、栄養成分を比較する【主食にすべき3つの理由】

健康食といえば「玄米」を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
健康のため、美容のため、ダイエットのため、また病気の改善のために、とさまざまな理由から玄米を食べ始める人がいます。
中には、味が好みだという人もいるでしょう。
玄米には豊富な栄養が含まれていて、多くの健康効果が期待されています。
また、食養では中心的な食べ物です。
この記事では、これから玄米を食べ始めようか考えている人のために、白米との栄養成分の違いを詳しく解説します。
筆者プロフィール

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ジャンクフード中毒から自然食品店長に。
20代で体調を大きく崩し、食養を学んで病弱体質を改善。自然食の仕事10年以上の経験と体験をもとに「安全な食品の選び方」と「体にいい自然食」について発信中!
玄米と白米の違い

玄米と白米の違いは、精米しているかどうか。
つまり、玄米を精米したのが白米です。
玄米・・・稲のもみ殻(外皮)だけを取った状態
白米・・・糠と胚芽が取り除かれた状態

上のイラストを見て分かるように、玄米と白米の違いは「糠と胚芽があるかないか」です。
糠と胚芽が取り除かれ、胚乳だけになったものが白米です。
この「糠と胚芽があるかないか」で、栄養成分に大きな違いをつくります。
玄米と白米の栄養成分

以下は、100gあたりの玄米と白米の栄養成分です。
玄米 | 白米 | |
---|---|---|
カロリー | 350kcal | 356kcal |
タンパク質 | 6.8g | 6.1g |
脂質 | 2.7g | 0.9g |
糖質(炭水化物) | 73.8g | 77.1g |
カリウム | 230㎎ | 88㎎ |
カルシウム | 9㎎ | 5㎎ |
マグネシウム | 110㎎ | 23㎎ |
鉄 | 2.1㎎ | 0.8㎎ |
リン | 290㎎ | 94㎎ |
ビタミンE | 0.3㎎ | 0.2㎎ |
ビタミンB1 | 0.41㎎ | 0.08㎎ |
ビタミンB2 | 0.04㎎ | 0.02㎎ |
ビタミンB6 | 0.45㎎ | 0.12㎎ |
葉酸 | 27㎍ | 12㎍ |
食物繊維 | 3.0g | 0.5g |
カロリーは変わらない
[box class=”pink_box” title=”100gあたりのカロリー”]
- 玄米 350kcal
- 白米 356kcal
[/box]
実は、玄米と白米のカロリーはほとんど同じです。
「ですから、玄米と白米はどっちを食べても、あまり変わりありません」
時々、このように話をする栄養士の方がいますが、これは間違いです。
食べ物は、カロリーだけで判断してはいけません。
そもそも「カロリー」とは、熱量(エネルギー)を表す単位です。
この数字は、食品に含まれるタンパク質、脂質、炭水化物の量から示されます。
確かに、エネルギーは人間が体を動かすために必要なものです。
摂取しなければ、生命活動を維持することができません。
しかし、同じカロリーでも中身が違います。
例えば、お米1杯と同じカロリーのお菓子もあります。
では、ごはんのかわりにそのお菓子だけを食べていればいいか、というとそうではありませんよね。
少し脱線してしまいましたが、カロリーは重要な指数であることには違いありませんが、カロリーだけでは食品の良し悪しを見極めることは出来ません。
玄米と白米の違いは、それ以外の栄養成分に表れています。
では、具体的に見てみましょう。
玄米は完全栄養食品
玄米と白米の栄養成分を比較すると、カロリー以外の栄養成分には大きな差があるのが分かります。
これは、「糠と胚芽」の部分に多くの栄養成分が含まれていることを意味します。
玄米は他の食品と比較しても、栄養が優れた食品と言えます。
特に、食物繊維はセロリの2倍。
マグネシウムは、栄養価が高いと言われる「おかひじき」と比べても2倍以上あります。
このカロリー以外の栄養成分こそ、白米との違いであり、玄米が持つ様々な健康効果を生む要因と言えます。
玄米の健康効果については、こちらの記事で詳しく解説しています↓

玄米は、ビタミン、ミネラル、食物繊維などがバランスよく含まれていることから、卵と同じように完全栄養食品と言われています。
玄米を主食にすべき3つの理由

玄米と白米の栄養成分を比較しますと、玄米の方が優れていることが分かります。
その上で、私が思う「玄米を主食にすべき理由」を紹介します。
[box class=”yellow_box”]
- 玄米には生命が宿っている
- 玄米なら噛む回数が増える
- 玄米は「一汁一菜」に適している
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①玄米には生命が宿っている

玄米は蒔けば芽が出ますが、白米は腐ります。
玄米には生命が宿っています。
「生命なき食物は生命の糧とならず」
こう説いたのは、東大名誉教授の二木謙三博士です。
二木博士は、「玄米博士」と言われるほど玄米食者としてよく知られています。
博士は、医者の家に育ったにも関わらず、幼い頃から病弱で、胃腸病、ぜんそく、ノイローゼ、腎臓病、皮膚病と病苦の連続でした。
成人後、「脚気に悩まされていた軍隊が、精白米に精白しない麦を入れて、病人が減った」という話を聞いたのがきっかけで、玄米に興味を持ちました。
その後、自らの食事改善で、医薬品で治らなかった病気が治り、昭和42年92歳でお亡くなりになるまでの約70年間、玄米食で健康を維持しました。
二木博士は、白米を「生命なき食物」、玄米を「生命ある食物」として表現し、晩年、玄米の普及活動に貢献したのです。
また、食養学には「一物全体食」という考えがあります。
これは、「命を丸ごといただく」という意味で、食養では主食に玄米を選びます。
②玄米なら噛む回数が増える

玄米は白米と比べると固く、また消化に時間がかかる食べものです。
だからこそ、よく噛まなければなりません。
実は、これは現代人にとって、ものすごく有益なことなんです。
よくアメリカのメジャーリーガーがガムを噛みながら試合をしていますが、あれは「噛むことによって集中力が増す」からです。
噛むことによって得られるメリットは、以下のように多くあります。
[box class=”pink_box” title=”「噛む」ことの効果”]
- 唾液の分泌が高まる、デトックス効果
- 消化吸収を助ける
- 食欲抑制、ダイエット効果
- 認知症予防
- リラックス効果
- 顔の筋肉が鍛えられる、しわ・たるみの予防
- 集中力がアップする
- 虫歯予防 など
[/box]
「噛むこと」について、日本には面白いエピソードがあります。
それが、「源氏が平氏に勝ったのは、噛む回数が多かったから」という話です。
貧しかった頃の源氏は、玄米を食べていました。
一食につき180回は噛んでいたという記録が残っています。
逆に平氏は、白米を常食とし、噛む回数は一食67回であったとのこと。噛むことによって、脳の働きが活性化し、記憶力、思考力、判断力、注意力などが高まります。
現代人は噛まなさすぎです。
— アルトム@食事を変えればカラダは変わる (@arutom1031) May 21, 2020
「噛む」回数が少ないと、神経質になり、冷静な判断が下せなくなることは科学的にも証明されています。
これが、本当に源氏の勝利に繋がった理由かは分かりませんが、源氏と平氏の盛衰ぶりは噛む回数で説明することができます。
この「噛む」ということについては、現代に生きる私たちにとっても、無視できないところです。
なぜなら、現代人は昔と比べて明らかに噛む回数が少ないからです。
白米やパンを主食としているよりも、玄米を主食にすることで、自然と噛む回数が増え、脳や体が健康的になります。
③玄米は「一汁一菜」に適している

玄米を主食にすると、少ない量でバランスの取れた食事ができます。
そう、「一汁一菜」です。
以前、厚生労働省が提唱していた「1日30品目を摂る」という健康の為の食事目標がありました。
1日30品目という数字を聞くと、非常に多く感じますよね。
正直、これを実践するのは簡単ではありません。
どんな食材を使えばいいのか、悩む人も出てくるでしょう。
実は、この取組み、実際に摂り続けるとカロリーオーバーになることが分かり、現在は「主食、主菜、副菜を基本に食事のバランスを」という表現に変わりました。
しかし、なぜ1日30品目も摂る必要があったのでしょうか?
これは、そもそも白米を主食として考えられたものだからです。
前述した通り、白米はカロリーはあるものの、その他のビタミン、ミネラルなどの栄養素が削られてしまい、それを補うために他に30品目必要だと考えられていたのです。
ところが、玄米を主食とした場合、玄米自体にすでに豊富な栄養がバランスよく含まれていますから、極端な話、玄米と具沢山のお味噌汁、それだけでも十分な栄養が摂れます。
玄米ほど「一汁一菜」に適した主食はありません。
ちなみに「一汁一菜」は、健康的にも、経済的にもおすすめです。
[box class=”yellow_box” title=”「一汁一菜」のメリット”]
- 食べ過ぎにならない
- 献立に迷わない
- 短時間で調理できる
- 食材が少なくてすむ など
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管理栄養士の圓尾和紀さんが書いたこの本には、「一汁一菜」のメリットが詳しく書かれています↓
「若杉ばあちゃん」こと若杉友子さんの本には、具体的なレシピが多く載っていて参考になります↓
玄米にデメリットはないのか?
ここまで玄米の良さばかりを伝えてきましたが、反対に悪い部分はないのか。
そう考える人もあるかと思います。
それについては、こちらの記事を参考にしてください↓

[voice icon=”https://yasai-tabeyo.com/wp-content/uploads/2020/01/coconala_icon_49_02point.jpg” name=”アルトム” type=”l line”]玄米を買うなら、有機栽培、無農薬栽培のものを選びましょう![/voice]
農薬の危険性については、こちらを参考にしてください↓

まとめ

玄米と白米の違いは、カロリー以外の栄養の違いです。
そして、玄米を主食にすることで得られるメリットは多くあります。
[voice icon=”https://yasai-tabeyo.com/wp-content/uploads/2020/01/coconala_icon_49_02point.jpg” name=”アルトム” type=”l line”]ただし、すべての方に玄米がおすすめというわけではありません。[/voice]
玄米は消化がよくありませんので、よく噛む必要があります。(これは良い理由でもあるのですが、、、)
胃腸が弱い方は、白米と玄米を混ぜて炊いたり、白米に麦や雑穀を入れて炊くのもおすすめです。
また、胚芽米(白米まで精白せずに、胚芽と少しのぬかが残っている状態)は、白米と食感、味にほとんど差がないので、これを食べるのも良いでしょう。
玄米の美味しい炊き方については、こちらの記事を参考にしてください↓

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