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【どっちがいい?】無農薬栽培と有機栽培(オーガニック)の違い

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安全な野菜を選ぶときに、1つの基準となるものが「無農薬」や「有機」「オーガニック」といった表記ではないでしょうか。

ただ、似たように聞こえて、実は違いがあるんです。

結局、どっちを選べばいいの?

今回はそんな疑問に答えます。

この記事で分かること
  • 無農薬栽培と有機栽培の違い
  • 安全性を考えるなら、どちらの野菜を選ぶべきか

あるとむ

自然食×食養生アドバイザー
食を見直してジャンクフード依存・虚弱体質から脱却。自然食品店の店長として14年の経験、食養生・薬膳などを学び得た知識を活かし、ブログやSNSで広く発信中。
2023年食養生講座をスタート、2024年初著書『食の選び方大全』(サンクチュアリ出版)を出版。オンラインで食事改善の相談・サポートもしています。

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無農薬栽培と有機栽培の違い

この2つの違いを簡単に説明しますと、以下のように分類できます。

ちなみに、「有機」と「オーガニック」は同じ意味です。

無農薬栽培栽培期間中、農薬を使用しない
有機栽培農林水産省により制定された「有機JAS規格」に適合した生産条件のもとで栽培され、登録認定機関により認められたもの

どちらも一般的な慣行栽培(農薬・化学肥料使用)に比べて、安全性にこだわっている栽培には違いありませんが、「有機栽培」はその認証試験に合格して認められたものしか名乗れません

ちなみに、現在は「無農薬栽培」という表示が使われず、「特別栽培農産物」という表記に統一されています。
この記事では読者に分かりやすいように「無農薬栽培」として解説してゆきます。

「無農薬栽培」とは

無農薬栽培野菜

無農薬栽培とは、栽培期間中に農薬を使用していないことを言います。

ここでポイントなのが、「栽培期間中に」というところです。

栽培期間中でない時、つまり前年の栽培で農薬を使用した場合でも、今回農薬を使用していなければ無農薬栽培と言えます。

前年に農薬や化学肥料を使用して栽培した場合、農薬・化学肥料が土壌に残っている可能性があります。

あるとむ

つまり、残留農薬の可能性があるということです。

そこで、消費者の誤認を防ぐために、農林水産省は2001年に無農薬野菜や減農薬野菜を「特別栽培農産物」という名称に統一して、その表示ガイドラインを公開しました。

特別栽培農産物

その農産物が生産された地域の慣行レベル(各地域の慣行的に行われている節減対象農薬及び化学肥料の使用状況)に比べて、節減対象農薬の使用回数が50%以下、化学肥料の窒素成分量が50%以下、で栽培された農産物です。

引用元:農林水産省「特別栽培農産物に係る表示ガイドライン」

現在、以下のような表示は消費者に誤認を招く可能性があるとして、原則的に禁止されています。

  • 無農薬
  • 減農薬
  • 無化学肥料
  • 減化学肥料

また、農産物の品質と表示内容が大きく異なる場合も消費者に誤認させてしまう可能性があるとして、JAS法により、指示、公表などの対応が行われるようになっています。

つまり、「無農薬栽培」とは、「栽培期間中、化学農薬を使用していないこと」をいいますが、前年に使われた農薬・化学肥料が残留している場合があるもので、現在は使うことができない表示です。

「有機栽培」(オーガニック)とは

有機栽培・オーガニック野菜

有機栽培とは、有機JAS認定を受けた栽培のことです。

農林水産省が制定している「有機JAS規格」に適合した生産条件のもとで栽培され、登録認定機関による試験でその適合性が認められたもののことをいいます。

「有機」について

まず、有機の意味を理解しましょう。

  • 有機物・・・炭素を含むもの
  • 無機物・・・炭素を含まないもの

有機=有機物とは、生物だけが作り出すことのできる「炭素」を含むもの、その化合物のことをいいます。

炭素は自然のものに含まれていて、反対に炭素を含まない化合物は無機物と呼ばれます。

つまり、無機とは、炭素を含まず、化学合成されたものを含んでいることを意味します。

あるとむ

有機栽培では、基本的に「堆肥(たいひ)」を使います。

堆肥とは、わらや落ち葉などを堆積させて、発酵させた肥料のこと。家畜の糞や、生ごみからつくられるものもある。

つまり、堆肥のように有機物を肥料として用いた栽培方法で、化学肥料を使わない、また化学合成された農薬を使わない栽培が有機栽培です。

有機栽培の定義

有機栽培の定義を簡単にまとめますと、以下のようになります。

有機栽培の定義
  • 禁止された農薬や化学肥料を2年以上使っていない畑で栽培すること(※お茶や果樹など多年生作物は3年以上、野菜や米など1年で収穫できるものは2年)
  • 栽培中、禁止された農薬・化学肥料を使わないこと
  • 施設、そこにある用具などにも農薬や化学肥料の飛散、または混入がないこと
  • 遺伝子組換えの種を使わないこと

有機栽培は、安全な農産物を栽培すると共に、環境への負荷をできる限り低減した生産方法といえます。

これらの規定を守り、登録認定機関による審査を受けて認定されたものに「有機JASマーク」が表示されます。

あるとむ

この有機JASマークは国が認める品質保証の証明となります!

反対にいえば、「有機」または「オーガニック」と名乗る為にはこのマークを取得していなければなりません。

しかも、1回取得したらいいということではなくて、年に一度、第三者から検査を受ける必要があります。

日々の生産記録や、使う肥料・機械・資材など厳しくチェックされたとても厳しい基準なんです。

有機野菜=無農薬野菜ではない

有機栽培は完全な無農薬栽培ではありません。

有機野菜の定義に、「禁止された農薬、化学肥料を使わない」とあります。

これは、言い換えると、「禁止された農薬」以外は使えるということです。

実際に、環境に害のない農薬として約30種類の農薬がJASに認定され、使用してもよいことになっています。

ただし、使用が許可されている農薬の中には微生物を利用した殺菌剤などもあり、それらは環境への負荷が少ないものとして知られています。

ただあくまでも、認められているのは「このままではどうしても農産物が収穫できない」という場合などの限定的なものとしてです。

基本的には農薬を使わないで済むように、①耕種的防除、②物理的防除、③生物的防除の3つの病害虫対策を行うという原則があります。

①耕種的防除は「虫が多い時期に種をまかない」など、畑の環境条件などをしっかり選んで、病害虫が発生しにくい条件を整えること。他にも、キャベツばかりつくるキャベツ畑では、キャベツを好む害虫や土壌病原菌ばかりになってしまうので、キャベツの隣にレタスやにんじん、ねぎなどさまざまな野菜をつくることで被害が起きないようにするのです。

②物理的防除は、農薬ではなく、資材などを使って病害虫からの攻撃を防ぐという方法です。たとえば粘着テープや、種をお湯につけ、表面についた病原菌を熱で死滅させるなどです。

③の生物的防除とは、畑の中で病害虫の天敵を増やしたり、害虫が嫌う植物を植えたりして病害虫の密度を下げる方法。たとえば、土壌の中のセンチュウが嫌いなマリーゴールドを畑に植えるなどします。

有機栽培では基本的にこの3つの防除をうまく利用して、農薬を使用しないようにしているのです。

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「無農薬栽培」と「有機栽培」の安全性を比較

「無農薬」と「有機」なら、どっちを選べばいいの?

有機栽培の方が、厳しい審査を通っているので、国に品質を保証された安全性の高いものといえます。

ただし、どちらにもデメリットはあります。

▼2つの栽培で心配される点

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無農薬栽培前年に使用した農薬が残留している可能性がある
有機栽培完全な無農薬ではない
堆肥に抗生物質を投与されて育った家畜の糞を使用している可能性がある

無農薬栽培(特別栽培)は、栽培期間中、農薬を使用していないものです。

しかし、前年に農薬を使用していたら、農薬が残留している可能性があります。

有機栽培(オーガニック)は、有機JAS規格の検査で認められたものです。

しかし、完全な無農薬ではありません

また、使われる堆肥には抗生物質などを投与されて育った牛や豚の糞を使用している場合もあります。

どちらの栽培にも心配される点があり、私としては農家さんの方針・考え方が最も大事と考えています。

有機JAS規格の認定を受けるには、高額な費用が掛かることも知られています。

そのため、実際は有機JAS規格と同じレベルで栽培していても、認定を受けていない小さな農家さんもあるんですよね。

また、有機JASの認定を受けていても、農家さんによっては堆肥すらも使用せず、自然農法に近い栽培をしているところもあります。

つまり、無農薬栽培(特別栽培)か有機栽培(オーガニック)であることを前提に、その農家さんの方針・考え方を知った上で選ぶのがおすすめです。

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まとめ

無農薬栽培栽培期間中、農薬を使用しない
有機栽培農林水産省により制定された「有機JAS規格」に適合した生産条件のもとで栽培され、登録認定機関により認められたもの

現時点では有機栽培の方が厳しい審査を通っているため、国に品質を保証された安全性の高いものといえます。

しかし、無農薬栽培も有機栽培も、どちらにも心配される点はあり、完璧なものはありません。

また、忘れてはならないのが、どちらも生産者の大変な苦労があって栽培されている貴重なものです。

世の中に多く出回っている農薬・化学肥料が沢山使われた野菜と比較しますと、はるかに安全で価値ある野菜といえます。

安心安全な野菜を求めるのであれば、無農薬栽培(特別栽培)か有機栽培(オーガニック)であることを前提に、農家さんの方針・考え方を知ってから選ぶのをおすすめします。

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あるとむ

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