1月7日は「七草粥の日」です。
お正月が過ぎ、疲れた体や胃腸をリセットするにはぴったりのタイミングです。
でも、なぜ七草粥を食べるのか知っていますか?
その理由を知ると、この日本の伝統食がもっと身近に感じられるはずです。
実は、七草粥に使われる「春の七草」と呼ばれる野草には、それぞれに驚くべき健康効果があります。
ビタミンたっぷりで、疲れた胃腸を癒し、デトックスにも最適。
そして、選ばれた食材には、古くから続く深い意味が込められているんです。
この記事では、七草粥の由来から健康効果、そして手軽に作れるレシピまで徹底解説します!
1月7日は、この伝統を楽しみながら心と体をリセットしてみませんか?
読めば、きっと七草粥が味わい深くなりますよ。
あるとむ

自然食×食養生アドバイザー
食を見直してジャンクフード依存・虚弱体質から脱却。自然食品店の店長として14年の経験、食養生・薬膳などを学び得た知識を活かし、ブログやSNSで広く発信中。
2023年食養生講座をスタート、2024年初著書『食の選び方大全』(サンクチュアリ出版)を出版。オンラインで食事改善の相談・サポートもしています。
七草粥はなぜ1月7日に食べるの?

七草粥は1月7日の朝に食べます。
その理由は「お正月のご馳走やお酒で疲れた胃腸を休めるため」とよく言われますが、実はこれは後付けの理由。
本当の意味は、1年の無病息災と五穀豊穣を祈るためにあるのです。
この日は「人日の節句」と呼ばれる日で、五節句のひとつとして平安時代から大切にされてきた行事のひとつでもあります。
五節句
- 1月7日 人日(じんじつ)の節句 [七草の節句]
- 3月3日 上巳(じょうし)の節句 [桃の節句、ひなまつり]
- 5月5日 端午(たんご)の節句[こどもの日]
- 7月7日 七夕(しちせき)の節句[たなばた]
- 9月9日 重陽(ちょうよう)の節句[菊の節句、栗の節句]
この「五節句」の文化は、中国から日本に伝わりました。
中国では、新年に占いを行う風習があり、元旦から1月7日までをそれぞれ鶏、犬、猪、羊、牛、馬、人の日とし、8日を穀の日と定めていました。
1月7日、人の日には無病息災を願って「七種菜羹(しちしゅのさいこう)」という7種類の野菜を使った汁物を食べました。
この中国の風習と、日本に古くからあった「若菜摘み」(新年に若菜を摘み、自然の生命力を取り込む行事)という文化が結びついて、現在の「七草粥」になったといわれています。
七草粥は、ただ腸をいたわるだけではなく、昔からの祈りや自然との調和が意味に込められているのです。
七草粥の主役!春の七草とは?

平安時代に中国から伝わり、その後「七草粥」は江戸時代に広く一般的な行事として定着しました。
もともとは「七種粥」と呼ばれ、米や小豆、胡麻などが入っていましたが、「若菜摘み」の風習と組み合わさってからは現在の「春の七草」が用いられるようになりました。
春の七草は以下の7種類です。
- セリ
- ナズナ
- ゴギョウ
- ハコベラ
- ホトケノザ
- スズナ
- スズシロ
これらはどれも「縁起が良い」とされる食材で、それぞれに願いが込められています。
ここでは、七草の特徴と栄養効果を詳しく見ていきましょう!
①セリ(芹)
水辺に競り合うように生えることから名づけられたセリ。
「競り勝つ」という言葉に寄せて、縁起が良い食べ物として選ばれています。
②ナズナ(薺)
あまり聞きなれない名前ですが、ペンペン草のことです。
ナズナには、「なでて汚れをはらう」という願いが込められています。
③ゴギョウ(御形)
別名「母子草」(ハハコグサ)。
「仏の体」を表しているといわれている草です。
④ハコベラ(繁縷)
細かい茎に葉が群がる様子から「華やかがはびこりますように」との願いが込められています。
⑤ホトケノザ(仏の座)
葉が地面に平らに広がる姿が「仏の安座」を想像させるため、名付けられました。
⑥スズナ(菘)
野菜の蕪(カブ)のことです。
スズナは「神を呼ぶ鈴」と呼ばれ、縁起が良いとされています。
蕪(カブ)は通常、根の部分を食べますが、七草粥では葉の部分を使います。
⑦スズシロ(蘿蔔)
これも、あまり聞きなれない名前ですが、野菜の大根のことです。
前述した蕪(カブ)と同じように、葉の部分が使われます。
「清白」とも書かれることがあり、「汚れのない純白さ」を表しています。
消化を助け、便秘の解消、美肌効果、風邪予防に効果があります。
七草粥をつくってみよう!

七草粥は簡単につくれます。
最近は七草がパックになった市販品も売っていますので、上手に活用しましょう。
七草粥の作り方
- 「春の七草」 適量
- 白米 1/2合
- 水 600ml
- 塩 少々
作り方
- 「春の七草」を洗い、沸騰したお湯でさっとゆでる。(春の七草は市販品のパック売りされているものが便利です)
- すぐにざる上げして、冷水にとり、冷めたら軽くしぼって、細かく刻む。
- 研いだ白米を鍋に入れ、水600mlを入れて火にかける。(煮立つまでは中火、煮立ってきたら弱火ににします)
- 30~40分ほど炊く。
- お粥が炊けたら、塩を少々と「春の七草」を加えて軽くまぜて温めて、出来上がりです。
七草が用意できない時の代替案
春の七草が手に入らない場合は、小松菜、ほうれん草、水菜、ルッコラなどの葉野菜を混ぜて代用することができます。
カブやダイコンを欠かさず入れることで、七草粥らしさを損なわずに作ることができますよ。
まとめ
日本の食文化の一つである「七草粥」。
その由来と食べる意味についてご紹介しました。
- 「七草粥」は1月7日の朝に食べる伝統的な料理で、無病息災と五穀豊穣を願う大切な行事
- 春の七草には、それぞれ「縁起が良い」とされる願いが込められており、さらに健康をサポートする効果も期待できる
また、「七草粥」が正月のご馳走で疲れた胃腸を休めるためのヘルシーな料理であることも伝えました。
ぜひ、その意味を感じながら、味わって食べてみてください。