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【実はすごい】海苔の栄養と効能|子供は食べ過ぎに注意!?

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海苔って健康にいいんだよね?

子供は食べ過ぎ注意って聞いたけど、どうして?

今回はこんな疑問に答えます。

この記事で分かること
  • 海苔に含まれる栄養成分
  • 海苔に期待される効能
  • 海苔の食べ過ぎによるデメリット

海苔は、海に囲まれた日本では昔からよく食べられてきました。

今でも「おにぎり」や「手巻き寿司」などに使われて身近な食材でもありますが、実は栄養豊富な健康食品なんです。

また、海苔は発育途中の子供にもおすすめの食材ですが、注意点もあります。

この記事では、海苔のメリット・デメリットについて解説しますね。

あるとむ

自然食品店の店長。
食養アドバイザー。
食を見直して冷え・虚弱体質・ジャンクフード依存から脱却。
食養生、薬膳、東洋医学などを学び得た知識を活かし、食事改善の相談・サポートをしています。
2023年オンライン食養生講座スタート。
2024年初著書『食の選び方大全』出版(サンクチュアリ出版)。

    タップできる目次

    海苔の栄養

    以下は、「焼き海苔」100gあたりの栄養成分です。

    エネルギー188kcal
    タンパク質41.4g
    脂質3.7g
    炭水化物44.3g
    β-カロテン27000㎍
    ビタミンB10.69㎎
    ビタミンB22.33㎎
    ナイアシン11.7㎎
    葉酸1900㎍
    ビタミンC210㎎
    ナトリウム530㎎
    カリウム2400㎎
    カルシウム280㎎
    ヨウ素2100㎍
    食物繊維36g
    七訂日本食品標準成分表を参照

    海藻にはタンパク質が平均して10%ほど含まれていますが、海苔の場合は特に多く、40%も含まれています。

    100g中のタンパク質量は、実は大豆や鶏肉よりも多いんです。
    海苔は素晴らしいタンパク源ともいえます。

    また、食物繊維・カルシウム・ビタミンA・ビタミンCなども多く、その栄養バランスの良さは他の食材よりも抜きん出ています。

    といっても、これはあくまでも100g中の栄養成分であり、焼き海苔1枚の重さは約3gです。

    実際に食べる量は個人差がありますが、1回の食事で焼き海苔1枚から3枚程度であることを考えますと、表に示してあるような栄養成分量を摂ることはできませんね。

    あるとむ

    しかし、それでも海苔が素晴らしい食品であることには変わりません!

    低カロリーでありながら、これだけの栄養成分を含み、かつ現代人に不足しているといわれる食物繊維も豊富に含まれているんです。

    そういう意味で、海苔は手軽に食べれる健康食品といえますね。

    実はすごい!海苔の効能

    海苔の効能効果

    海苔に含まれる豊富な栄養成分から、さまざまな効能が期待されています。

    ①疲労回復

    海苔にはビタミンB1B2が含まれています。

    ビタミンB1・B2は、糖質をエネルギーに変えるのに必要な成分で、これが不足していると疲れやすくなります。

    お米も糖質であり、おにぎりに海苔を巻いて食べるのは非常に理に適っているということです。

    ちなみに焼き海苔3枚で、成人女性が1日に必要なビタミンB1・B2の必要量に相当します。

    ②生活習慣病の予防

    海苔にはβ-カロテンが多く含まれ、同じく豊富に含まれているビタミンCとの相乗効果で、がん予防に効果的といわれています。

    実際に、アサクサノリ(海苔の一種)に大腸がんの抑制効果が見られたという動物実験が報告されています。

    北里大学の山本一郎元教授は,ラットの実験でノリに制ガン効果があることを明らかにしました。これは発ガン物質であるジメチルヒドラジン(DMH)をラットに注射して腸ガンを発生させる飼育過程で、バランスのとれた標準飼料を与えた対照群と2%の割合で海藻の粉末を混合した飼料を与えたラットの腸ガン発生率を比較したもので、その結果、対照群は10匹中7匹に腸ガンが発生したのに対して、アサクサノリを添加した飼料で育てた群の腸ガン発生率は、10匹中2匹にとどまるという、驚くべき腸ガン抑制効果を得ました。また、この好結果をもとに乳ガンについても同様の実験を行い、きわめて高いガン抑制効果を認めています。
     ノリのガン予防効果について同氏は、ノリに含まれる食物繊維の働きで排泄促進される余分な毒物には、発ガン物質も含まれますのでガン予防になります。また体の中に余分な酸化が起きると一般にガンになりやすい状態と言われていますが、この酸化を防ぐのがノリにたくさん含まれているベーターカロチン〈体内でビタミンA〉とビタミンCの相乗効果ではないかと推論しています。

    出典:海苔の効用(全国海苔貝類漁業協同組合連合会)

    海苔を水につけるとヌメリが出ますが、これはアルギン酸です。

    アルギン酸には血圧・コレステロールの安定、有害物のデトックス作用が認められています。

    さらに、タウリン・EPA(エイコサペンタエン酸)なども加わって、海苔に含まれる栄養がさまざまな生活習慣病の予防にもなると考えられています。

    ③便秘の解消

    海苔に含まれる栄養成分のうち、約3分の1が食物繊維です。

    しかも海苔に含まれる食物繊維は、野菜に含まれる食物繊維と違い柔軟なため、胃や腸の壁を傷つけない穏やかな整腸作用が期待されています。

    食物繊維は便秘を解消し、腸内細菌の働きを助け、有害重金属を解毒します。

    当然、ダイエット効果も期待されています。

    ④骨を丈夫にする

    海苔にはビタミンKも含まれています。

    ビタミンKは血液凝固因子で、不足すると出血が止まりにくくなります。

    また、骨形成に欠かせない栄養成分でもあります。

    ビタミンKは、骨にあるタンパク質・オステオカルシンを活性化し、カルシウムを骨に沈着させて骨の形成を促します。
    そのため、骨粗鬆症の治療薬としてもビタミンKが処方されています。

    ちなみに、海苔の種類によって栄養成分には差があり、ビタミンKを最も多く含むのは「乾し海苔」です。

    ⑤美肌作用

    海苔にはビタミンCが多く含まれています。

    焼き海苔1枚には、なんと「みかん」の1.5倍ビタミンCが含まれています。

    ビタミンCは抗酸化物質で、体内の活性酸素を除去し、シミの予防に効果があることが分かっています。

    一般に、ビタミンCは熱に弱く加熱調理はよくないとされていますが、海苔に含まれるビタミンCは熱に強いことが分かっています。

    そのため焼き海苔として食べても効果を期待できます。

    ⑥貧血の解消

    貧血予防というと「レバー」を想像する人が多いと思いますが、実は海苔にも鉄分が多く含まれています。

    焼き海苔1枚でレバー10gと同量の鉄分を摂ることができます。

    これは1日に必要とされる鉄分量の約半分で、十分、貧血の予防・解消に役立ちます。

    ⑦肝臓を強化する

    お酒をよく飲む人にも海苔はおすすめです。

    アルコールは肝臓で分解されますよね。

    その際、タンパク質を大量に消費するので、お酒を飲む時はタンパク質を補うのが良いとされています。

    前述したように海苔にはタンパク質が豊富に含まれ、さらにまた肝臓を強化するタウリンも含まれています。

    お酒のお供に、海苔を使ったおつまみを用意するとよいですね。

    海苔は日本人にしか消化できない?

    一部で「海苔は日本人にしか消化できない」という噂がありますが、これは半分正解で半分間違いです。

    2010年、フランスの微生物学研究チームは「生海苔の細胞壁を分解する酵素を生み出す微生物は、日本人の腸内にのみ存在する」という研究報告をしました。(ただし、これはあくまでも「生海苔」に対しての話で、加熱すれば、どの国の人でも消化できます)

    その理由として考えられているのが「海苔を食べてきた歴史の長さ」です。日本人は古く飛鳥時代から海苔を食べていたといわれています。

    日本人特有の生海苔を分解する酵素があることは、それだけ長い間海苔を食べ続けてきたことを表している話でもあります。

    海苔のデメリット|子供は食べ過ぎに注意!?

    さて、そんな栄養豊富な海苔ですが、デメリットもあります。

    どんなものもそうですが、海苔も食べ過ぎるとよくないです。

    特に、赤ちゃんや子供には「海苔が健康にいいから」と与えすぎないように気をつけましょう。

    具体的には、海苔を食べ過ぎることでこんなデメリットがあります。

    海苔の食べ過ぎによるデメリット
    • 消化不良を起こす
    • のどに貼りつく【特に幼児は注意!】
    • 「味付け海苔」はカロリーが高い
    • 「味付け海苔」は添加物が使われていることもある

    デメリット①消化不良を起こす

    海苔に多く含まれる食物繊維は、穏やかな消化を促す反面、消化されにくいというデメリットもあります。

    体調が悪い時は、胃腸の機能が下がっています。

    そんな時に海苔を多く食べ過ぎると、消化不良を起こしやすくなり、胃痛・腹痛の原因にもなってしまいます。

    デメリット②のどに貼りつく【特に幼児は注意!】

    海苔を離乳食に使う親御さんも多いですが、特に幼児の場合は海苔をそのまま与えないように気をつけた方がいいです。

    海苔はのどに貼りつきやすい食べ物だからです。

    幼児はまだ気道が狭く、食べ物を食道から胃へと流し込む力が十分ではありません。

    実際に、海苔やお餅での窒息事故は数こそ少ないですが毎年のように起きています。

    幼児にはそのまま与えるのではなく、小さく切ったり、煮込んだりして海苔を与えるのがいいですね。

    もちろん、子供だけでなく、大人も食べ過ぎると、同じようなリスクがあると考えておいた方がいいです。

    デメリット③味付け海苔はカロリーが高い

    海苔には、大きく分けて、「乾し海苔」「焼き海苔」「味付け海苔」の3種類あります。

    海苔はカロリーが低いので、ダイエット目的に用いる人もいますが、「味付け海苔」はカロリーが多いということを知っておきましょう。

    以下は海苔100gあたりのカロリーです。

    乾し海苔173kcal
    焼き海苔188kcal
    味付け海苔359kcal
    七訂日本食品標準成分表を参照

    ただし、他の食品と比べれば「味付け海苔」も決してカロリーが高すぎるというわけではありません。

    ですが、海苔をダイエットに用いる場合は、種類を選ぶ必要がありますね。

    デメリット④味付け海苔は添加物が使われていることも

    「味付け海苔」は、乾し海苔に調味液を塗り、加熱、乾燥したものです。

    栄養成分自体は、焼き海苔とそれほど大きな違いはありませんが、問題は食品添加物です。

    市販されている味付け海苔には「化学調味料」や「合成甘味料」が使われているものがほとんどです。

    健康のために積極的に海苔を食べるのであれば、無添加の味付け海苔がおすすめですね。

    まとめ|海苔は日本人が食べ続けてきた健康的な食品!

    海苔は日本人が長年食べ続けてきた、伝統食の一つです。

    非常に多くの栄養を含み、さまざまな健康効果を持つ、まさに健康食品。

    ですが、(特にこどもには)食べ過ぎに注意しましょう。

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