たくあんにはどんな栄養が含まれているんだろう?
たくあんにも添加物って使われているのかな?
今回はこんな疑問に答えますね。
- たくあんに含まれる栄養成分
- たくあんに期待される効能効果
- 安全なたくあんを選ぶポイント
日本の伝統食の一つ、「たくあん」。
コリコリとした食感が美味しくて、好きな人も多いですよね。
身近な食品であるたくあんが実はすごい健康食品だと知ったら、その存在を見直す人も多いのではないでしょうか。
この記事を読んだら、きっと食べたくなりますよ!
この記事では、たくあんに含まれる栄養とその健康効果について詳しく解説します。
また、記事の後半では、おいしくて体にいいたくあんを選ぶポイントも紹介しますね!
あるとむ
自然食品店の店長。
食養アドバイザー。
食を見直して冷え・虚弱体質・ジャンクフード依存から脱却。
食養生、薬膳、東洋医学などを学び得た知識を活かし、食事改善の相談・サポートをしています。
2023年オンライン食養生講座スタート。
2024年初著書『食の選び方大全』出版(サンクチュアリ出版)。
たくあんの栄養
以下はたくあん(可食部)100gあたりの栄養成分です。
エネルギー | 43kcal |
タンパク質 | 0.6g |
脂質 | 0.3g |
炭水化物 | 10.8g |
食物繊維 | 2.3g |
カロテン | 1μg |
ビタミンB1 | 0.01g |
ビタミンⅭ | 40mg |
カリウム | 56mg |
カルシウム | 16mg |
マグネシウム | 5mg |
たくあんは、大根からつくられる漬物で、日本発祥の食べ物です。
収穫した大根を天日干しして水分を抜き、糠と塩に1か月以上漬け込んで熟成発酵させて作られます。
たくあん独特の黄色は、大根を熟成させる過程で大根の辛み成分が分解されて生まれるもので、気温が高いほど分解が進み、より黄色い色の物が出来ます。
現在では短時間で作れるようにと大量の塩で水分を抜く方法が主流で、甘味料や着色料を使用して作られるものもありますので、本来の色よりも黄色が濃く見えるものもあります。
そんなたくあんには、食物繊維、ビタミンB1、B6、C、ナトリウム、マグネシウム、鉄分などが豊富に含まれています。
そして、発酵・熟成させて作る食べ物なので乳酸菌が豊富なのも特徴です。
たくあんに期待される5つの効能効果
たくあんに含まれる豊富な栄養によって、さまざまな健康効果が期待されます。
ここでは、主な5つの効能を紹介します。
①塩分の補給
たくあんには塩分がしっかりと含まれているので、塩分補給におすすめの食品です。
たくあんは、昔から農作業など体をよく動かす人たち、運動をしてよく汗をかく人に好まれてきました。
運動をすることで汗をかきますが、汗に含まれる塩分は約0.3%といわれています。
つまり、汗を500mlかくと約1.5gの塩分が失われることになります。
ちなみに、私たちは寝ている間にも平均で一晩400mlほどの汗をかくといわれていますので、激しい運動をしていなくても塩分は毎日失われています。
中には、たくあんの塩分量を気にして敬遠する人もいますが、一度に3切れ食べたとしても約27gで塩分量は0.8gです。
厚生労働省は、1日の塩分摂取量の基準を男性7.5g未満、女性6.5g未満としています。
たくあんも食べ過ぎなければ、塩分の摂り過ぎにはなりません。
もちろん、高血圧の人や、塩分の多いものばかり食べているという人はまた状況が違ってくると思いますが、1日に2~3切れであれば、毎日食べても問題ありません。
本来、塩は生きていく上で必要不可欠なものです。
現代は、塩不足で体調を崩す人も多くいます。
良い塩を使って作られた「たくあん」は、良質な塩分補給食といえますね。
▼塩にも良し悪しがあります
②疲労回復
たくあんに含まれるビタミンB1は、糖質の代謝に必須な栄養素です。
お米やパンなどの炭水化物には糖質が多く含まれていますが、ビタミンB1が不足していると、その糖質をうまくエネルギーに変えることができません。
その結果、疲れやすい体になり、体調を崩す要因にもなってしまいます。
その代表がまさに「脚気」です。
かつて「江戸煩い」と恐れられた脚気は、ビタミンB不足が原因で起こることが今でこそ分かっています。
諸説ありますが、5代将軍の綱吉も脚気になり苦しんだといわれており、練馬で療養して回復しました。
その要因の一つとして、たくあんや切干大根を食べたといわれているんです。
③骨や歯を丈夫にする
たくあんには骨や歯を形成するのに必要なマグネシウムも多く含まれています。
骨や歯をつくる材料といえばカルシウムが真っ先に思い浮かびますが、マグネシウムには「骨や歯の弾力性や柔軟性を高める」いう大きな役割をもっています。
また、他にも血圧の調整などにも関わっている大切な栄養素です。
マグネシウムは「ミネラルのリーダー役」といわれていて、カルシウムをはじめ、様々なミネラルの動きをコントロールし、体内で働く350種類以上の酵素が機能するのに必要不可欠な存在。
そんなマグネシウムですが、私たち日本人は特にマグネシウム不足が指摘されています。
たくあんを食べることは、マグネシウムを効率よく摂取することにもなりますね。
④整腸作用・便秘の解消
日本にはいくつもの漬物がありますが、その中でも「たくあんは長く発酵させても美味しい」ことで知られています。
長く発酵させることによって乳酸菌が増えて、酸味が少し強くなります。
乳酸菌は善玉菌の一種で、悪玉菌の増殖を防ぎ、腸内の環境を整えます。
実は、たくあんに含まれる植物性乳酸菌は、ヨーグルトなどの動物性乳酸菌に比べて、胃酸や胆汁酸に強く、腸まで届きやすいことが分かっています。
欧米の人に比べて腸が長い日本人の体質には、たくあんなどの植物性乳酸菌がおすすめであるといえます。
また、たくあんには食物繊維も多く含まれています。
食物繊維も腸内環境を良くして、便秘を予防・解消します。
食物繊維が不足して便秘気味の人には、おすすめの食材です。
⑤老化防止・美肌作用
たくあんにはビタミンCも多く含まれます。
ビタミンCには強い抗酸化作用があり、体内で増えすぎてしまった活性酸素を除去します。
活性酸素は正常な細胞を傷つけ、老化を早めてしまう原因とされています。
なので、ビタミンCには老化防止の効果があるといえるのです。
また、ビタミンCは美肌づくりに欠かせないコラーゲンの生成を助ける働き、肌荒れやシミ・ソバカスなどを防ぐ効果もあります。
たくあんと美容ってあまり結びつきませんが、ビタミンCを多く含んでいる食べ物ですので、美肌づくりにもおすすめなんですね。
おいしくて体にいいたくあんの見分け方
では、健康を考えて「安全で美味しいたくあんを食べたい」という人のために、選ぶポイントを3つ紹介します。
- 無添加のものを選ぶ
- 塩にこだわる
- 自分でつくる
ポイント①無添加のものを選ぶ
ここまで、「健康に良い食品」としてたくあんを紹介してきましたが、実は市販されているたくあんのほとんどは添加物だらけです。
表示を見ると、化学調味料・酸味料・酸化防止剤・合成甘味料・合成着色料・・・
本来の原料以上に食品添加物の方が多く使われているのが実状です。
現代の食事情を考えますと食品添加物は確かに必要とされていますが、それにしても「たくあん」には多く使われています(汗)
食品添加物は、その一つ一つの安全性は厚生労働省に認められていますが、1度に複数の種類を同時に摂取したとき、その体への影響は調べることができません。
▼添加物のメリット・デメリットについて解説しています
せっかく毎日の健康のためにたくあんを食べるのであれば、無添加で良いものを選びたいですね。
▼おすすめの無添加たくあん
ポイント②塩にこだわる
たくあんに使われる塩も重要なポイントです。
前述したように、たくあんは良質な塩分補給食。
繰り返しますが、塩は生きていく上で必要不可欠なものです。
また、塩によって食品の良し悪しも変わってきます。
より良いものを求めるなら、塩にもこだわって選びましょう!
▼「海の精」の塩で漬けたたくあん
ポイント③自分でつくる
安全で美味しいたくあんを求めるなら、自分で作るのも選択肢に入れていいと思います。
意外に思う人もいるかもしれませんが、たくあん漬けは実はそこまで難しくありません。
(上手にできるかどうかは、また違いますが、、、)
昔はどこの家でも軒先に大根が干されて、家庭でたくあんが作られていました。
たくあんは、先人の知恵が詰まった日本発祥の保存食なんですよね。
興味がある人は、ぜひ一度挑戦してみてください!
まとめ|たくあんは価値ある伝統食品!
日本では古くから食べられているたくあん。
やはり伝統として残るだけの価値ある内容です。
「何かあと1品ないかな?」という時に、たくあんの効能を思い出して食卓に並べてみてください。
ただし、たくあんにはけっこう多くの添加物が使われていますので、無添加のものを選ぶか、自分で作ってみるというのもおすすめですよ。