スーパーやコンビニに行くと、チョコレートはお菓子コーナーの中でも品揃えが多く、注目される商品ですよね。
最近では、健康や美容に良いと宣伝されることも多く、積極的に食べる人も増えてきました。
でも、実際にチョコレートは本当に体に良いのでしょうか?
また、チョコを選ぶ際は、どんなポイントを気にしていますか?
今回は、自然食品店長の目線で、おいしくて体にいいチョコレートを選ぶポイントをわかりやすくお伝えします!
あるとむ

自然食×食養生アドバイザー
食を見直してジャンクフード依存・虚弱体質から脱却。自然食品店の店長として14年の経験、食養生・薬膳などを学び得た知識を活かし、ブログやSNSで広く発信中。
2023年食養生講座をスタート、2024年初著書『食の選び方大全』(サンクチュアリ出版)を出版。オンラインで食事改善の相談・サポートもしています。
チョコってどうやって作られている?
チョコレートの原料は「カカオマス」。
これはカカオという植物の種子からつくられます。
カカオは、主に赤道を中心として南北緯度約20度以内の降雨量の多い地域で栽培されている植物。
学名は「テオブロマ・カカオ」といい、ラテン語で「神様の食べ物」という意味を持っています。

そのカカオの樹になる実をカカオポッドといいます。
このカカオポッドの中には、甘酸っぱい「パルプ」と呼ばれる白い果肉が詰まっています。
そして、その果肉にはカカオの種子が40~50粒程入っていて、この種子がチョコレートの原料となるカカオ豆です。

カカオ豆も他の植物の種子と同じように、種皮(シェル)、胚芽(ジャーム)、胚乳(ニブ)という構造になっていて、このうちチョコレートになるのは胚乳の部分です。
この胚乳は「カカオニブ」と呼ばれています。

ですから、チョコをつくるためには、カカオ豆を砕いてシェルやジャームを取り除く必要があります。
それからカカオニブをロースト( 焙煎 )し、すり潰してドロドロのペースト状態にする。
こうしてできたものを「カカオマス」と呼ぶのです。
(その後冷却すると固形になるため、製菓材料店などでは固まっているカカオマスが並んでいます)
さらに、今度はカカオマスをプレス機で圧搾し油脂を取り出します。
ここで取り出された油脂分が「ココアバター」。
そして、ココアバターを除いた固形分は砕かれて「ココアパウダー」となります。
ちなみに、このココアパウダーが飲むココアとなります。
実際にはお菓子作りに使われることが多く、飲用には砂糖やミルクを加えた調整ココアとして販売されることが多いですね。

カカオから生まれた「カカオマス」「ココアバター」「ココアパウダー」を原料に使い、砂糖やミルクなどを加えて混ぜて、挽きつぶし、練り上げて、そして冷やし固めたものがチョコレートとなります。
チョコは健康にいい!?
さて、チョコレートは健康に良いのでしょうか?
実は、古代文明ではカカオ豆をすりつぶして作った飲み物が薬として使われていた歴史があります。
以下は「ミルクチョコレート」に含まれる栄養成分の一部ですが、実際にカカオを主成分とするチョコレートには、健康や美容に役立つ栄養素が豊富に含まれています。
【ミルクチョコレート100g当たりの栄養成分】
成分名 | 含有量 |
---|---|
エネルギー | 550kcal |
たんぱく質 | 6.9g |
脂質 | 34.1g |
食物繊維 | 3.9g |
カルシウム | 240mg |
マグネシウム | 74mg |
鉄 | 2.4mg |
亜鉛 | 1.6mg |
銅 | 0.55mg |
ビタミンE | 0.7mg |
ビタミンB1 | 0.19mg |
ビタミンB2 | 0.41mg |
チョコレートにはビタミンE、カルシウム、マグネシウム、亜鉛などのミネラルが豊富に含まれています。
また、便通改善に役立つ食物繊維や、脂肪の蓄積を防ぐテオブロミンなども含まれています。
そして、チョコレートに含まれる栄養成分の中でも、特に注目されているのが「カカオポリフェノール」。
カカオポリフェノールは、チョコレートの苦味や渋みの元となる成分で、強力な抗酸化作用を持っています。
最近では、動脈硬化の予防や精神安定の効果も報告されており、注目を集めています。
ハイカカオチョコレート(カカオ含有率70%以上のチョコ)のようにカカオ含有量が多いほど、カカオポリフェノールの量も多く、苦味が強くなるのが特徴です。
というように、含まれている栄養の内容を見れば、チョコレートはとても健康的な食品といえます。
ただし、注意すべき点もあります。
これからお伝えするポイントを無視すると、その健康効果を十分に得ることができないばかりか、逆に体に負担をかけてしまうことになる可能性もありますので、健康や美容を考えるのならば、ぜひチェックしてみてください。
チョコを選ぶポイント
それでは、おいしくて体にいいチョコを選ぶための3つのポイントをお伝えします。
①「チョコレート」を選ぶ
えっ?と思うかもしれませんが、おいしくて体にいいチョコを選ぶなら、名称が「チョコレート」と記載されているものを選びましょう。

実はチョコ製品は規定量のカカオ原料を配合していないと「チョコレート」という表示ができないのです。
詳しく説明すると、製造・加工する前のチョコレートの状態を「チョコレート生地」といいます。
そのチョコレート生地に含まれる成分の比率によって、チョコレートか、準チョコレートか、それ以外のものかに分類されています。

そして、チョコ製品は主に以下の4つに分類されています。

「チョコレート」の方が「準チョコレート」よりもカカオの含有量が多いため、カカオならではの風味と香りをより感じることができます。
それに、栄養面で考えても「チョコレート」の方がカカオの栄養成分を多く摂ることができますよね。
チョコレート以外が悪いというわけではありませんが、「おいしくて体にいいチョコ」を求めるのなら、まずは商品の裏面を見て、種類別名称をチェックしてみてください。
「ハイカカオチョコ」って?
一般的なチョコレートのカカオ含有率は30~50%程度で、砂糖やミルクなどを配合することで甘さを出しています。
一方でハイカカオチョコレートは、砂糖やミルクなどの量が少ない分、主原料であるカカオ特有の味わいが強く、甘さがやや控えめな点が大きな特徴です。また、カカオの含有量が高い分、栄養素をより多く摂ることができます。
ハイカカオチョコレートには、はっきりとした定義はありませんが、一般的にはカカオ含有率が70%以上のチョコレートが、ハイカカオチョコレートと呼ばれています。
②添加物の少ないものを選ぶ
チョコレートの表示を見ると、商品によってはかなり多くの添加物が使われています。
特に「チョコレート菓子」や「準チョコレート菓子」に多い印象です。
例えば、下の画像のように「砂糖ゼロ」や「糖類ゼロ」という謳い文句の商品は、思わず手に取ってしまいたくなりますよね。

でも、実際には砂糖の代わりに人工甘味料やその他の添加物が多く使われています。

添加物は保存や味を調節するために使われるものではありますが、体への負担も少なからずあると私は考えます。
そういう意味からも、基本的にはシンプルな原材料のものを選ぶといいですね。
チョコには乳化剤がつきもの!?
乳化剤とは、水と油をスムーズにつなぐ役割を果たす添加物です。
チョコレートの場合は大豆由来のレシチンという脂質が使われることが多いですので、その場合は「レシチン」と表記されています。
乳化剤はチョコレートを製造するとき、原料同士をくっつけてなめらかにし、口溶けをよくしてくれるのに必要とされています。
また、乳化剤を使わないと、製品化したあとで「ブルーミング」という分離現象が起こる可能性もあります。高温になると脂肪分が溶け出してしまい、また冷えると、表面に脂肪分が固まって白くなってしまいます。この現象は、チョコレートの風味を大きく下げてしまうといわれています。
植物油脂ってなんのために使われるの?
原材料欄を見ると「植物油脂」が入っている場合がありますね。
これは、植物から絞り出して作る油分のことです。
チョコレートに使われる場合は、主に口どけをよくしたり、つやを出すために使われることが多いです。
そもそも、本来チョコづくりに必要な油脂分はココアバターをつかいます。
でも他の材料に比べて高価です。
だから安く作ろうとするなら「ココアバター」は最低限にして、その代わりに「植物油脂」を入れることで「かさ増し」ができるわけです。ただし、植物油脂はトランス脂肪酸を含んでいる可能性も指摘されていますので、気になる方は「植物油脂」が使われていないものを選びましょう。
③白砂糖不使用のチョコを選ぶ
そして、チョコを選ぶときにチェックしたいのが砂糖の内容です。
白砂糖はお菓子作りに適していますが、体へのリスクもあります。
もし、健康や美容のためにチョコを食べるのであれば、白砂糖ではない砂糖を使っているものを選びましょう。

下記の商品のように、てんさい糖やきび砂糖を使っているチョコもありますので、ぜひチェックしてみてください⇩
希少なオーガニックチョコ
さらにこだわるなら、オーガニックの認証を受けたチョコレートをぜひ試してみてください。
オーガニック認証のチョコレートは、原料となるカカオの栽培に化学肥料や農薬を使わず、自然の力を活かして育てられています。
健康を意識して選ぶ人もいれば、環境への配慮からオーガニックを選ぶ人もいますが、最大の魅力はその純粋で豊かなカカオの味わいです。
一般的なチョコレートよりもシンプルな原材料で作られたものが多く、カカオ本来の味わいを楽しむことができます。
まとめ
チョコレートは、選び方で健康的なおやつにもなれば、逆に体に負担をかけるものにもなります。
カカオポリフェノールや食物繊維、ミネラルなどをしっかり摂るためにはカカオ含有量の高いものや余計な添加物が入っていないものを選ぶことが大切です。
「チョコが好きだけど、健康も気になる…」という方は、ぜひ原材料やカカオの含有量をチェックしながら、自分に合ったチョコを選んでみてください!
最後に、わたしのおすすめチョコも紹介しますので、ぜひ1度試してみてください⇩
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